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新型コロナウイルスが猛威を振るい、世界中で死者もたくさん出ています。
人間が大騒ぎの中、動物も苦しんでいる現状があるのをご存知ですか?
実は、全国各地で行われていた殺処分ゼロの取り組みが新型コロナウイルス感染拡大により後退するおそれがあるんです。
それだけでなく、アニマルカフェにいる動物たちも命の危機にさらされています。
今回はこれらの現状と、各自治体や団体がどのように対応しているのかをご紹介します。
個人で支援できる方法も考えてみたので、ぜひ参考にしてみてください!
新型コロナウイルスで譲渡会が中止!殺処分問題にまで影響
殺処分されないようにと保護された犬や猫たちを、新しい飼い主に出会わせる譲渡会。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、多くの保護団体で譲渡会が中止となっています。
譲渡会が開催されるアニマルカフェやシェルターに、多くの人を集めることができないためです。
そのため、譲渡数も激減しています。
譲渡会は、里親たちを見つけるための大切な取り組み。
里親が見つからなければ、保護団体で預かっている保護犬や保護猫を減らすことができません。
団体があふれかえれば、殺処分されそうになっている新たな犬や猫を引き取ることはできません。
結果として、助けられなかった多くの犬や猫たちが殺処分されてしまうかもしれないという問題が起きています。
東京都動物愛護相談センターが発表した、今年5月の譲渡会開催は3件となっています(5月14日時点)
<譲渡会とは>
譲渡会とは、自治体や団体が保護している犬や猫を、里親を希望している方へ譲り渡す活動です。
猫カフェやシェルターをはじめ、人通りの多い駅前などで開催されることもあります。
参加方法や場所は主催者によって異なります。
気軽に立ち寄れる場合もあれば、事前講習が必要だったり、アンケートに答えたり。
さまざまな団体が全国各地で開催しており、インターネットでその情報を知ることができます。
譲渡会のいいところは、なんといっても保護されている犬や猫を助けられるところ。
また、トライアル期間を設けていることがほとんどなので、引き取った後に
「やっぱりお世話できませんでした」
という悲しい事態を防ぐことができるんです。
そして、団体に保護されている犬や猫はその間しつけされている場合が多いのも、里親としては嬉しいポイント。
譲渡会後も交流を持っていれば、お世話について引き続きサポートしてくれることもあります。
殺処分の数と減少の背景
環境省が公表している統計資料によると、犬と猫の殺処分数は平成20年度で約27万頭、平成30年度で約4万頭と大幅に減少しています。
殺処分が減少している背景には、2012年の動物愛護法の改正と、ボランティア団体の協力があります。
法改正により行政機関は、老齢や疫病を理由としての引き取り、販売業者からの引き取りなどを断ることができるようになりました。
これにより引き取り数が減少し、殺処分の数も相対的に減少していると考えられます。
また、殺処分の割合も減少しており、これは自治体と団体が協力して頑張っているからといえそうです。
保護や譲渡を民間の団体が協力することにより、自治体のセンターでの収容率が下がっているためです。
自治体だけで保護し続けるのは難しく、収容にも限界があります。
自治体と民間団体が協力する取り組みは都市部を中心に行われており、今後は地方での取り組みにも期待です。
殺処分問題に取り組む自治体や団体についての記事はこちらで紹介しています!
また、ボランティア団体だけでなく、ビジネスとしての取り組みで殺処分問題を解決しようと活動している組織もあります。
障がい者グループホーム「わおん」もそのひとつです。
動物とともに暮らせる地域社会の実現に向けて、福祉問題や殺処分問題の解決に取り組んでいます。
詳しくはこちら。
譲渡会ができない!対応方法とは
各団体は、譲渡会を中止するといっても、里親を希望する方には個別で対応しています。
しかし、たくさんの人が集まる譲渡会に比べたら、里親が見つかる可能性はぐっと減ってしまうでしょう。
そこで、「オンライン譲渡会」が注目されています。
オンライン譲渡会とは、SNSなどを使って、保護犬や保護猫たちの様子を配信し、里親を募ることです。
以前の記事で取り上げたピースワンコジャパンでも、オンライン譲渡会が開催されました。
また、保護犬猫マッチングサイト「OMUSUBI」を運営する株式会社シロップは、オンラインお結び会をスタートさせました。
配信は、予約や申請などが不要というケースも多くあり、気軽に参加できるというメリットが大きい。
一方で、責任をもって世話することができる里親かどうか見極めるのは難しいから反対だという意見もあります。
直接会えない分、連絡を密にとって対応したり、トライアル期間やその後の関係も可能な限り見届けたりといった工夫が必要といえそうです。
コロナの影響はアニマルカフェにも
譲渡会以外でも、問題が起こっています。
新型コロナウイルスの影響で、休業を迫られているアニマルカフェがあることです。
営業を止めても、動物たちのお世話に必要な飼育代やエサ代はかかります。
カフェとしてもこのまま休業が続けば、閉店もやむを得ません。
殺処分から免れてカフェで保護されている犬や猫たちにも、新たな危険が迫っている状況といえます。
そこで、さまざまな保護犬・保護猫カフェでは支援を呼びかけています。
また、オンライン譲渡会の力も借りながら、開店はできないが、保護猫と里親をマッチングさせる取り組みは継続しているカフェもあります。
新型コロナウイルスの影響を受け、保護猫カフェを応援する取り組みをはじめている会社もあります。
犬や猫たちを助けるためにできること
新型コロナウイルスという不測の事態。
危機にさらされている犬や猫たちを救うためにできることを考えてみました。
<クラウドファンディング>
街頭募金という方法もありますが、外出を控えている今はネットを通しての寄付型クラウドファンディングが大活躍です。
寄付型クラウドファンディングは、基本的な仕組みは募金と同じです。
支援を必要としている方に遠隔からでも寄付ができます。
また、使い道を細かく掲載し、寄付をした後も活動の報告を見ることができます。
実際、この方法で支援を募っている保護猫カフェでは、寄付金のおかけで猫の生活が保たれていることを随時報告しています。
そして、寄付型クラウドファンディングには金銭的なリターンはありませんが、別の形でお返しがもらえることもあります。
保護猫カフェの支援では、このようなリターンがあることも。
- コロナ収束後にお店で使えるクーポン券
- 動物マークがかわいいハンカチセット
- オリジナルフォトブック
猫好きには嬉しいものばかりです。
コロナに紛れて悪いことを考えている人たちもいます。
詐欺には注意が必要です。
<物で支援>
金銭面以外に、物で支援するという方法もあります。
殺処分問題に取り組んでいるボランティア団体で呼びかけていることが多いですが、コロナ騒動の現在、保護猫カフェで支援を要しているところも。
支援先のサイトにて、欲しいものを掲載していることがほとんどです。
自宅で不要になった新聞紙、タオルなどが役に立つこともありますので、気になる方はチェックしてみましょう。
<SNSで支援>
SNSで発信、拡散することも支援になります。
- 譲渡会やアニマルカフェが危機に直面していることを自ら発信する
- 支援を必要としている団体や会社の投稿を拡散する
コロナ関連の話題でも、保護犬や保護猫に関する問題はまだまだ認知が浅いです。
より多くの人の目にとまることが、今後の支援にも影響してきます。
ネット上での発信、拡散は大切な支援の一部といえるでしょう。
まとめ
人間がウイルスで混乱している中、犬や猫たち動物もまた危機に巻きこまれています。
助けるためにまず大事なことは、現状を知ること。
そのうえで、自分には何ができるか考えていくことが、犬や猫たちを救う一歩につながっていきます。
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