目次
皆さんは犬や猫が好きですか。
愛嬌があり、とてもかわいいですよね。
皆さんの中には実の子どものように愛情を注いでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、悲しい現実がそこにはあります。
それは、殺処分問題です。
昨年のデータでは、日本では約38,444匹の犬や猫が殺処分されました。
殺処分ゼロを目指して行政や地域の団体が活動しているのにもかかわらず、どうしてなくならないのでしょうか。
今回は、そんな問題を解決するために、私たちが参加できる犬猫殺処分ゼロに向けた取り組みや、活動団体についてご紹介します。
ぜひこの記事を参考に、今日から殺処分ゼロに向けた活動に参加してみませんか。
殺処分にまつわる悲しい現実「ドリームボックス」とは?
「ドリームボックス」という言葉をご存じですか?
一見、楽しい、夢のある単語に感じますよね。
しかし、ドリームボックスの意味を知ったときその印象は大きく崩れるでしょう。
ドリームボックスとは、飼い主に見捨てられた動物が保健所に預けられて1週間の間に、飼い主が引き取りに来なかった場合に入るボックスのことです。
ボックスの中には炭酸ガスが充満しており、動物たちはドリームボックスの中に追いやられ逃げ場もなく窒息死させられます。
一般的には安楽死とされていますが、その実情は異なります。
動物たちは苦痛を感じながら処分されてしまうのです。
殺処分ゼロに向けたピースワンコジャパンの活動は?理念や方針について
犬の殺処分数ゼロを実現した自治体があることをご存じですか?
その自治体とは、広島県神石高原町です。
神高原町にはピースウィンズジャパンという「必要な人々に、必要な支援を」をスローガンに国内外を問わず、さまざまな社会問題に取り組んでいる団体があります。
この団体の活動の一つとして、ピースワンコジャパンがあります。
この活動の始まりは、ドリームボックスに入れられる子犬を保護したことからはじまりました。
その活動目標は、犬と人とが力を合わせて元気な社会を創ることにあります。
主な活動方針としては次の3つとなっております。
- 災害救助犬・セラピー犬の育成
- 殺処分ゼロへのチャレンジ
- 犬と愛犬家のふれあいの場の設置
3つの中でも特に力を入れている活動は、殺処分ゼロのチャレンジです。
動物本来の生き方を尊重する思想に基づき、いまだ多くの犬が人の手によって処分される現状を変えるために、犬の正しい飼育方法や動物福祉の考え方を広める活動を行っています。
2013年から計画をたて、2016年4月には全頭引き取りを行ない殺処分ゼロを実現しました。
2020年3月末の報告でも殺処分ゼロを実現しており、継続して実績を残しています。
詳しい活動内容はこちらからご覧ください。
活動にかかる費用はどこから集めるの?
活動のための費用はどうやって集めているのでしょうか。
保護のためにかかる費用は次のようなものがあります。
- フードを中心とした養育費用
- けがや病気、去勢手術などにかかる医療費
2018年度は2つ合わせて約2億円ほどかかったそうです。
実は、これらの費用の多くはふるさと納税やサポーター制度などを通じて全国の支援者による寄付金でまかなわれています。
支援金の寄付の方法は3つあります。
- 継続的に寄付する
- 自治体を通して寄付する
- 今回のみ寄付する
継続して支援を希望する方は月額1,000円(30円/日)の寄付を行なうことで、「ワンだふるサポーター」として活動に参加することができます。
少しの寄付金でも取り組みを支援できるため参加しやすいですね。
自治体を通して寄付をする方法として、ふるさと納税があります。
ピースワンコジャパンのある広島県神石高原町にふるさと納税を納めることで、殺処分ゼロ活動に参加することができます。
ふるさと納税では寄付した金額が活動支援につながり、さらには所得税や住民税から差し引かれます。
寄付した分だけ自分にかえってくるのはうれしいですね。
また、返礼品としてピースワンコジャパンからお礼の品が届くのもうれしいポイントです。
ふるさと納税によるペットの保護活動
全国の自治体でも活動が盛んに
広島県の自治体が殺処分ゼロに向けて、取り組みを行なっている背景についてご紹介いたしましたが、ほかの自治体ではどのような活動が行なわれているのでしょうか。
各都道府県から、3カ所取り上げて見ていきましょう。
<神奈川県>
神奈川県では2014年から2019年にかけて、犬・猫の殺処分ゼロを実現しています。
実現にいたった理由は次の2つ。
- 正当な理由がない限り、保護センターでの引き取りを行なわず、収容される動物の数を減らしたこと
- ボランティアとの連携を強化し、保護センターから動物を引き渡し口を広げたこと
また、神奈川県ではマイクロチップを導入し、「所有者明示」を目的として犬や猫に設置し所有者への還元率の向上を目指す取り組みも行なわれています。
2019年には「動物保護センター」から「動物愛護センター」に施設名を改名し、「処分のための施設」から「生かすための施設」に転換しました。
<北海道札幌市>
札幌市でも、犬の殺処分ゼロを3年間継続した実績があります。
この結果に至った大きな要因は次の2つにあるとされています。
- 保護した動物の収容期間が7日間から無期限に延長されたこと
- 行政側での引き取りを拒否することが可能になったこと
札幌動物管理センターでは地域のボランティア団体や大学と連携し、健康管理やしつけを行ない、譲渡率の向上を図っています。
また、市民の動物・ペットへの考え方や意識を改善するために普及啓発活動を行なっています。
<熊本県熊本市>
熊本市でも殺処分ゼロの実績があります。
2002年から動物愛護推進協議会を設立し、殺処分ゼロの取り組みを強化しました。
飼い主への返還や譲渡の推進、動物教室の開催による適正飼養、終生飼養の啓発活動を主に行なっていました。
その中でも特徴的な取り組みは、ペットへの迷子札装着100%にする取り組みです。飼い犬や飼い猫が迷子になっても、飼い主のもとへ確実に返還されることを目的としています。
このように、各自治体ごとで、行政だけではなく地域のボランティア団体や大学と協力し、殺処分ゼロに向けた取り組みが活発に行なわれています。
共通している活動としては動物保護センターでの引き取り数の削減、譲渡率・返還率の向上の2点が見受けられます。
皆さんがお住まいの自治体ではどのような取り組みを行なっているのか、ぜひ調べてみてください。
まとめ
殺処分の件数は年々減少傾向にありますが、いまだ多くの犬や猫が処分されている現状があります。
彼らは信じていた飼い主に捨てられ、精神的な苦痛をうけます。
その後、引き取り手が見つからなかった場合は保健所にて殺処分されます。
このように尊い命が失われていくのです。
この問題を解決するためには私たちひとり一人の行動が重要になります。
小さな取り組みでも多くの人の手によって支えられれば活動の規模は大きくなります。
今回ご紹介した自治体や活動団体を通して、失われていく命を救うことができます。
少額の寄付でも十分手助けになりますので、取り組みに参加してみてはいかがでしょうか?
「いえらぶポータル」ではペット可物件やペット共生型賃貸物件をご紹介していますので、ペット可賃貸をお探しの方はぜひご覧ください。