障がい者向けの賃貸住宅とは?公営住宅やUR賃貸・グループホームとは

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障がいをもつ方のなかには、働いて自立した生活を送っている方もいます。

障がいの程度によっては物件を借りて暮らすことも可能で、その支援サービスなどもありますよね。

また、配偶者ができたことをきっかけに住居の移転を考える方もいるでしょう。

今回は、そのような方におすすめの住宅をご紹介します。

自立へ向けて新しい生活をスタートさせたい方やご家族の方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

障がい者の住まいの現状とは?

障がいのある方の住まいを考えるにあたり、まずはその状況をしらべてみました。

こちらは、障がい者世帯と全世帯の住居種類を比べたものです。

<持ち家>

・障がい者世帯58.1%

・全世帯47.6%

<民間賃貸住宅>

・障がい者世帯17.3%

・全世帯39.6%

<公営住宅>

・障がい者世帯16.2%

・全世帯4.9%

出典|国土交通省及び厚生労働省の資料(東京都の比較)

こうしてみると、公営住宅に住んでいる障がい者が多いことが分かります。

逆に、民間の賃貸住宅に住む割合は少なく、全体の半分以下となっています。

ではなぜ、民間の賃貸住宅に住む方は少ないのでしょうか。

これには2つの原因があると考えられます。

①不動産会社やオーナーさんの審査があること

②障がいの特性にあった住みやすい物件が少ないこと

まず①について、民間の賃貸住宅に入居するには、不動産会社やオーナーさんの審査に通らなければなりません。

審査の際、障がいがあることを話してしまうと、不利になることがあるといいます。

現在、「障害者差別禁止法」が施行され、障がいがあることを理由とした差別的な扱いは禁止されています。

しかし、まだまだ、障がいに対する理解が進んでいるとはいえません。

お気に入りの物件が見つかっても、オーナーさんとの相性があわずにお断りされるケースも少なくないでしょう。

次に②について、住みやすい物件が少ないことも要因として考えられます。

とくに、車いすや杖で生活している身体障がい者にとって、バリアフリーが充実している賃貸物件を探すのは大変ですよね。

住みやすそうな家が見つかっても、地域や家賃などの希望条件をしぼりこむと、該当物件が減るためです。

他にも、集合住宅で他人に迷惑をかけてしまうことを気にする方もいるでしょう。

契約能力をもっていても、民間の賃貸住宅での暮らしを望まない障がい者が多いのは、このような要因が重なっているからだといえます。

「ステキな物件があればそこに住みたいけど、やっぱりアパートはちょっと心配…」

 

今回はそんな方に、おすすめの住まいをご紹介します!

持ち家以外の選択肢を知っておくと、便利ですよ。

障がいのある方におすすめの住まい!公営住宅とは

まずは、公営住宅からみていきましょう。

  • 家賃が安い

公営住宅の大きなメリットは家賃が安いこと。

公営住宅は地方自治体が運営しており、低所得者向けにつくられた賃貸住宅です。

収入が少なくても借りることができるので、とにかく安く抑えたい方におすすめです。

  • 追加費用の負担が少ない

礼金、更新料、仲介手数料などが不要なので、住み始めた後に追加で費用がかかる心配もありません。

公営住宅は、同居する親族がいることや、一定の基準以下の収入であることなど、入居に審査があります。

自治体によって独自の基準を設けていることもあるので注意が必要です。

デメリットは、入居希望者が多く、抽選から漏れてしまう可能性があること。

しかし、障がい者世帯に対する特例措置を設けている自治体もあり、健常者に比べてチャンスの幅は広いといえるでしょう。

障がいのある方におすすめ!UR賃貸住宅とは

UR賃貸住宅とは、都市再生機構が運営する賃貸住宅です。

耐震性に優れた鉄筋コンクリート造で、部屋の面積も広いことが特徴的。

関東を中心に物件が広がってきています。

メリットやデメリットなどをみていきましょう。

  • 契約にかかる費用をおさえられる

1つ目のメリットはこちら。

公営住宅と同じく、礼金、更新料、仲介手数料がかかりません。

また、キャンペーン時に申し込むと敷金の割引が受けられることも。

まとまったお金を用意するのが難しい方におすすめです。

入居者の決定は基本的に先着順なので、はやめに検討するとよいでしょう。

  • 障がいをおもちの方向けの住宅がある

UR賃貸住宅のなかの「高齢者等向け特別設備改善住宅」とよばれる住宅は、高齢者や障がい者の方向けに、設備の改善をおこなっています。

具体的には

「キッチンの高さが使いやすい」

「浴室やトイレの段差がない」

「手すりがある」

「緊急時に通報できるボタンを設置」

細かい設備は住宅によって異なりますが、これらが主な設備となります。

とくに身体に障がいのある方におすすめな住宅です。

  • 収入の基準がやや厳しい

UR賃貸住宅は、保証人が不要なかわりに、本人の審査基準が高くなっています。

原則として、家賃の4倍以上の月収がなければなりません。

(たとえば、家賃5万の住居の場合、基準月収額は20万円です)

ただし、障がい者の場合は、特例として基準以下でも認められることがあります。

扶養など親族の平均収入額が基準月収額以上あること。

または、貯蓄額が基準貯蓄額以上あることなど。

※UR賃貸住宅でいう「障がい者」とは、以下のいずれかの場合に該当する方をいいます。

  • 身体障がい者手帳の交付を受けている1級~4級の障がいのある方。
  • 療育手帳の交付を受けている重度の障がいのある方で常時介護を要する方。
  • 児童相談所、知的障がい者更生相談所または精神科医などから、重度の知的障がいがある、またはこれと同程度の精神の障がいがあると判定されている方で、常時介護を要する方。

ただし介護者として親族の同居が必要となります。

参考サイト:
【https://www.ur-net.go.jp/chintai/whats/system/eldery/】
1障がい者グループホームとは

グループホームとは?

障がい者向けグループホームとは、障がいのある方が世話人のサポートを受けながら、複数人で共同生活する住宅のことです。

マンション、アパート、戸建てなど、グループホームごとに住宅の種類が異なります。

入居者にはそれぞれ個別の部屋があり、食堂などの共同スペースで他の入居者と交流をとることができます。

完全なひとり暮らしは不安だけど、自立の練習をしたい方におすすめ。

  • 支援を受けながら自分らしく生活できる

障がいのある方をもつご家族にとって、急にひとりで生活をさせるのは不安が大きいと思います。

グループホームでは日中はもちろん、夜間も支援を受けられますから、安心して住むことができます。

また、それぞれの障がいの特性にあった適切なサポートを受けながら、自分でできることは自立して生活を送ります。

障がいのある方でも、少しの支援で自分らしい生活を送ることができますよ。

  • コミュニケーションの機会が増える

障がいを抱える方のなかには、コミュニケーションが苦手だったり、社会活動に消極的で人と接する機会が少なかったりする方もいます。

グループホームでは、世話人に日常生活の相談をしたり、他の同居者の悩みを聞いたりする環境が整っています。

また、このようにグループホームごとに決まりごとを設けていることもあります。

「世話人さんと一緒に食事をつくる」

「お風呂の順番を決める」

「誕生日会を開く」など

そのため、同居者と自然に交流ができるでしょう。

<障がい者グループホーム「わおん」について>

「わおん」はペットと暮らせる障がい者グループホームです。

殺処分される犬や猫をグループホームで預かり、動物福祉・殺処分問題に取り組んでいます。

同時に、ペットのもつ動物介在活動によって障がい者の生活の質を向上させ、当たり前に動物と暮らせる社会の実現をめざしています。

グループホームでペットと暮らしてみたい方は、こちらもチェック。

<サテライト型住居について>

グループホームでの生活より、さらにひとり暮らしに近い生活を送れるのが「サテライト型住居」です。

グループホームを本体住居とし、個室だけが少し離れたところにあります。

食事や住居者同士の活動などは本体住居でおこなうため、コミュニケーションの機会が減ることはありません。

また、世話人が定期的に見回りにきてくれるので、急な場合でも支援を受けられるのは安心です。

グループホームがシェアハウスのような感覚であるのに対し、サテライト型住居は、グループホームの別館でひとりを満喫できるような感覚でしょう。

まとめ

今回は障がいをもつ方におすすめの住まいをご紹介しました。

納得のいく住まい探しをするのは難しいものですよね。

この記事が、少しでもお役にたてれば幸いです。

ひとり暮らしをはじめたい方、配偶者と新しい家に住みたい方、障がいをもつ方が家族にいる方など、それぞれが暮らしやすい住宅が広がることを願っています。

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