目次
冷え込みが加速してきたこの頃。
これから1月2月を迎えると、さらに雪も激しくなってきますよね。
そうなる前に知っておきたいのが、冬の空き家管理方法です。
冬に空き家を放置するとどんな危険があるのか。
また、危険を防止するためにはどうしたらよいのか。
今回は水道管と雪害の危険についてまとめてみたので、ぜひ最後までご覧ください。
空き家を放置してはいけない理由とは
空き家を放置している方はいませんか?
山形県の調べによると、近隣に空き家があると回答した割合は6割を超えています。
そして、発見された空き家の中でも、問題が発生していると認められた空き家は43%となりました。
これらの空き家が問題となっている原因上位5つがこちらです。
1位:冬期間除雪されず放置
2位:雑草や樹木が伸び放題で不衛生
3位:屋根が壊れ、家屋が倒壊しそう
4位:窓ガラス、ドアなどの家屋の一部が破損
5位:すでに倒壊が始まっている
1位は冬の時期に目立つ問題点です。
市町村が住民から受け付けた空き家に関する主な相談内容でも「落雪」が上位に入っています。
山形県は豪雪地帯としても有名です。
除雪せず放置したまま落雪となると、他住民に危険がせまります。
軒下に積もった雪が落ちて事故になると、責任問題に発展しますよ。
空き家所有者の方は、冬の空き家管理に気を配る必要があるでしょう。
2位以降は、衛生上や防災上の問題点です。
不衛生な環境だと害虫や害獣が発生します。
また、家屋が破損していて倒壊しそうな空き家は、ガラスや屋根などが飛来する危険があります。
これらの危険のある空き家が近くにあると、心配ですよね。
とくに、空き家が通学路や人通りの多い道沿いにあるとどうでしょうか。
ガラスや木材でケガをするかもしれません。
空き家を管理せずに放置していると、地域住民に迷惑がかかるのです。
また、現地調査によると「危険が迫っている緊急度の高い空き家」よりも「今すぐに倒壊する危険はないが損傷が激しい空き家」の方が多く存在しています。
「まだ大丈夫だろう」と放置されているわけです。
空き家の放置は、不衛生さや倒壊の危険を生み出すだけではありません。
放火などの犯罪の温床となったり、地域活性化の活動に悪影響を及ぼしたりします。
こちらの記事でも、空き家の放置がなぜ危険なのか説明しています。
また、特定空き家に認められると固定資産税が通常の6倍に跳ね上がります。
住民だけでなく、所有者にとってもデメリットが大きいですよ。
参考サイト:山形行政評価事務所 「空き家の適正管理に関する調査」の結果
冬の空き家管理で所有者が気をつけるべきこととは
空き家の放置は、所有者や地域住民にとってデメリットが大きいことがわかりました。
所有者は放置せずに、管理する方法を知っておくとよいでしょう。
夏は害虫が発生したり、草木が伸びたりするのを防ぐ必要がありますよね。
冬にも気をつけなければならないことがあります。
- 水道管の凍結や破裂
12月から3月にかけての寒いこの時期は、水道管が凍結したり、破裂したりします。
自分の家で水道管が凍結したことある人もいるのではないでしょうか。
気温がマイナス4℃以下になると、凍結による水道管破裂の恐れがあるとされています。
「破裂なんて雪国の地方だけでは?」と思っている方もいるでしょうか。
じつは、東京や大阪などの首都圏でも破裂の可能性はあります。
低温注意報が出された日は、とくに警戒が必要でしょう。
破裂が起こる仕組みは、凍結により水の体積が増え、水道管が膨張するためです。
蛇口や水道管が凍結すると水が出なくなるだけでなく、修理にも費用がかかります。
破裂により水が漏れると、その分の料金も支払わなければなりません。
通常の家であればすぐに気づける水道管の破裂。
しかし、空き家であれば「いつの間にか破裂していた!」事態もあり得ます。
その場合は、水道代も大変な額になりますよね。
人が住まない空き家は、電気や水道などを停止してしまう対策方法もあります。
しかし、定期的に訪れて清掃などをしている場合、電気や水道を止めると不便に感じますよね。
そのため、空き家の電気や水道を止めていない方も多いかと思われます。
毎日使うわけではないので、凍結や破裂につながる可能性も高くなります。
- 落雪の危険性
隣の家が近いと、落雪により人の敷地に迷惑がかかります。
また、人通りの多い地域に空き家がある場合、落雪により人をケガさせてしまう危険性がありますよね。
落雪事故は屋根転落の次に多く、除雪機の事故と同等程度の被害を出しています。
「自分の空き家に雪が積もって他人をケガさせてしまったら…」
考えるだけでも恐ろしいですよね。
雪害の事例は人的被害だけではありません。
大量の雪は重くなり、軒樋を破壊したり、テラスルーフやサイクルポートの屋根も破壊してしまいます。
破壊された家の一部は、修理しなければ空き家の外観を悪化させてしまうでしょう。
地域の景観を損なう空き家や、管理の行き届いていない空き家は、特定空き家に指定される可能性が高まってしまいますよ。
水道管の凍結・破裂や落雪の防止方法
冬の空き家管理は、水道管や落雪に注意したいと説明しました。
危険があると分かったら、対策しておきたいですよね。
ここでは、水道管の凍結や破裂を防止する方法と、落雪の対策をまとめてみました。
空き家所有者の方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
<水道管の凍結・破裂防止>
- 水抜きをする
空き家などの普段使っていない家の凍結・破裂対策方法は、「水抜き」が有効です。
凍らせないために、全ての水を抜いておくんですね。
蛇口の水を出した状態で、水抜きの栓のレバーを「止める」にします。
ハンドル式の場合は、右に止まるまで回します。
水抜きが不完全だと水道管に水が残ったままになるので、凍結や破裂してしまうので注意しましょう。
- 水道管をタオルや防凍材で保護する
水抜きができない場合に使える方法です。
屋外の水道管は、寒さにさらされているため、とくに凍結しやすくなっています。
保温できるものでカバーしておくことで、温度の低下を回避できるでしょう。
保温材とあわせてビニールテープを巻くのも効果的です。
<落雪の対策>
- 雪下ろし
落雪を防止するためには、屋根の雪を下ろす作業が不可欠ですよね。
空き家の様子をいつでも確認できるならいいのですが、遠方に住んでいる場合や時間がとれない方は厳しいでしょう。
その場合は空き家の管理会社に依頼するか、地域住民の方にお願いする方法もあります。
合わせて雪庇(せっぴ)も除去しておきましょう。
- 雪止めを設置する
空き家が道路沿いに面している場合は、落雪による事故の危険性が高まります。
それを少しでも防ぐためには、丈夫な雪止めを設置するとよいでしょう。
雪止めを設置しているからといって、雪下ろしをしなくていいわけではありません。
雪下ろしと合わせて対策しておきたい方法ですよ。
冬の空き家で地域住民が気をつけること
放置されていて管理が行き届いていない空き家は、危険があるとお分かりいただけたかと思います。
空き家所有者ではなく、空き家の近くに住んでいる住民が気をつけること。
それは、「近づかないこと!」に限ります。
とくに雪が積もった空き家は落雪の危険がありますから、近づかないようにしましょう。
通り道に雪が積もっている空き家がないかチェックしながら歩くのも、身を護る術です。
そして、破損が激しい空き家や雪害の危険のある空き家を発見した際は、自治体へ連絡しましょう。
いまは大丈夫でも、いつか街の誰かが被害に遭うかもしれません。
まとめ
年明けは一段と冷え込みます。
「まだ空き家の対策をしていなかった!」と冷や汗をかいた所有者さんは、年末休みの今からすぐに対策をはじましょう。
自分での管理が難しい方は、空き家の管理会社に依頼する方法も有効ですよ。
空き家が自分だけのものではなく兄弟などと共有している場合は、この機会に空き家の活用について話合うのもよいでしょう。