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NET119とは、音声通話が困難な方でも緊急通報できるようつくられたシステムです。
火事や病気など緊急事態に遭遇したとき、自分ですぐに通報できたら…と思うことはありませんか?
今回は、そんな不安な気持ちを解決してくれるシステムのご紹介です。
NET119について初めて聞いた方や、これから登録しようと考えている方はチェックしてみてくださいね!
NET119とは?対象者や導入状況をチェック!
一般に、救急や消防へ緊急通報する際は、電話を使います。
しかし、聴覚や言語機能に障がいのある方にとって、音声通話は使いづらいもの。
普段はメールやFAX、テレビ電話を利用していることでしょう。
緊急通報用にFAXを送信することもできますが、外出先から通報きないのがデメリットです。
また、固定電話機のない家庭も増えてきていますし、スマホから通報できると便利ですよね。
NET119を利用すると、携帯やスマートフォンの画面を簡単に操作するだけで救急や消防に通報できます。
メリットはこちらです。
- 通話機能を使わないので聴覚や言語に障がいがある方も使える
- 携帯やスマホからいつでもどこでも通報できる
- 自宅やよく行く場所を事前登録できる
- GPS機能付きで通報場所の連絡も簡単
- チャット機能付きで詳細も伝えられる
- 持病などの情報を事前登録できる
- 家族の連絡先も登録できる
- 途中で通報が切断された場合は、消防本部からメールで呼び返せる
<対象者や対応機種>
NET119の利用対象者は、音声の聞き取りが難しい方や、発声が難しい方です。
利用にあたって障がい者手帳は必要ありません。
NET119を登録しておけば、周りに緊急電話通報してくれる人がいない場合に、自分で通報できます。
救急通報は「自分が緊急事態にある」か「自分以外が緊急事態にある」を選択できるので、家族やサポーターさんに何かあったときにも役立ちますよ。
対応機種は携帯電話や4GLTEケータイ、スマートフォン、タブレットなど。
- Eメールの送受信ができる
- インターネットでの通信ができる
- GPS機能が使える
これらをクリアしていれば、ほとんどの場合利用できます。
※一部端末では利用できない場合がございます。各自治体の条件を確認してください。
<全国の導入状況>
令和2年6月現在、726本部中307本部の消防が導入済みです。
2020年度末までには、導入済みの本部を含む558本部が導入予定となっております。
お住まいの地域で導入されているかどうか、総務省消防庁のホームページをご確認ください。
NET119の登録・申込方法
NET119は事前登録制となっています。
登録しておかないと利用できないので注意しましょう。
気になる費用ですが、NET119の登録費用・使用料は無料!
ネットの回線を引いているので、通信費はかかるので注意しましょう。
登録方法は2種類あります。
スマートフォンやタブレットから登録する方法と、書類から申請する方法です。
それぞれご紹介しますね。
<スマートフォンやタブレットから登録する方法>
1.設定から位置情報サービスをONにする
2.電子メールを受信できるように設定しておく
3.緊急連絡先を登録する
4.申請用のQRコードを読み込むまたは、登録用メールアドレスに空メールを送信する
5.すぐにメールが届くので、本文の登録用ホームページのURLを開く
6.登録用ホームページの規約をよく読み同意にチェック
7.必要事項を入力
- 氏名
- 生年月日
- 住所
※本人確認書類
消防署によっては、本人確認書類を提出する場合があります。
この場合は、免許証や保険証などの写真を添付します。
- 緊急連絡先
8.入力事項に誤りがないか確認して申請をタップ
9.申請が受理されると承認メールが届く
※申請には数日かかる場合があります
10.承認メールに書かれたURLを開く
11.パスワード入力画面が出てくるので、メールに記載されているパスワードを入力する
12.ログインが完了するとNET119を利用できるようになります
<書類から申請する方法>
お住まいの自治体がNET119を導入しているか確認したうえで、消防署へ申請に行きます。
申込書や申請登録用紙が準備されているので、必要事項を記入して窓口で受付をしてもらいます。
NET119の登録にはスマートフォンや携帯電話が必要です。
忘れずに持参しましょう。
NET119による通報の仕方
登録が完了したら、実際どのように使うか学んでおくとよいですよ。
NET119を使った通報方法についてご紹介します。
画面を開くと、「救急」「火事」「他の人に音声通話をお願いする」と表示されます。
まず、周囲に健常者の方がいれば、「他の人に音声通話をお願いする」をタップして、携帯・スマートフォンを渡しましょう。
NET119は便利な機能ではありますが、音声電話で対応できる方がいるなら、極力音声での通報が望ましいです。
なぜなら、NET119をまだ導入していない自治体もあるためです。
動ける人が自分しかいない場合は、「救急」または「火事」を選択します。
仮に、「救急」を選択したとしましょう。
すると、「どこにいますか?」の質問とともに、「自宅」「外出先」「よく行く場所(登録している場合)」を選択できる画面が表示されます。
「自宅」や「よく行く場所」の住所は事前に登録しているので、これらをタップすると、事前に入力している住所情報が消防へ伝達されますよ。
外出先から通報している場合は、GPS機能が役立ちます。
「外出先」をタップすると、携帯やスマートフォンの現在地情報が、消防へ伝達される仕組みです。
次に、「救護が必要な方はどなたですか?」の質問とともに、「あなた自身」「他の人」を選択できる画面が表示されます。
ここで、自分自身の急病やケガの場合には「あなた自身」をタップ。
周囲の方の緊急性を伝えたいときは「他の人」をタップします。
また、この画面では位置情報の修正もできます。
GPSの機能を元に、マップ上にピンが打たれているので、その場所が正確かどうか確認しましょう。
もしピンがズレている場合は、ここで微調整できますよ。
一通り選択が終わったら、右下の通報マークから通報できます。
消防局が受け付けるまで「呼び出し中」と表示されるので、しばらく待ちましょう。
消防局が通報を受理すると、チャット画面へと切り替わります。
画面上でリアルタイムに会話ができる機能ですね。
ここでは、消防の方がより詳しい質問をしてくるので、文字で答えます。
※システムの種類や提供会社によって多少操作が異なる場合があります
NET119を使用する際の注意点
これまでNET119の登録方法や使い方を説明してきました。
最後に、利用上の注意点をまとめたので確認しておきましょう。
- 圏外だと使えない
NET119はネット通信回線を利用しているので、電波の届かない場所や通信状況が悪い環境では使用できません。
また、日本国内で使える機能なので、海外からの通報もできません。
- 通報の受理先について
通報は、自分が登録した消防か通報地点の最寄りの消防に届きます。
最寄りの消防がNET119を導入していない場合、通報をうけつけないことがあるので注意しましょう。
- GPS機能
通報時は緊急で焦っているために、位置情報(GPS)の機能をONにすることを忘れてしまう場合があります。
そのため、NET119使用時に困らないよう、日頃から位置情報の機能をONにしておくとよいでしょう。
- ホーム画面に追加する
緊急通報をすぐに行えるように、NET119の通報画面のページをスマートフォンのホーム画面に追加しましょう。
または、ブラウザのお気に入り欄に追加するなどでもよいです。
追加する際は、NET119のメニューバーにある「通報URL」をタップし、ここから新規登録を行いましょう。
別のページからショートカットキーを作成した場合、その都度ログインを求められる場合があります。
まとめ
NET119緊急通報システムは、聴覚や言語に障がいのある方でも利用できる緊急通報システムです。
携帯電話からスマートフォンへ電子機器が進化したことにより、障がいのある方でも利用できる機能は増えてきたように感じます。
緊急通報をする事態はないに越したことはありません。
しかし、何かあったときのために備えておくことは大切ですよ。
お住まいの自治体を確認し、NET119を登録してみてはいかがでしょうか。