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「大好きなペットとは夜寝るときも一緒がいい!」
「寝ようとするとペットがすり寄ってきて結局一緒に寝ている」
このような飼い主さんも珍しくないかもしれません。
しかし、動物と人間が一緒に寝るのはよくないと聞くことがありますよね。
なぜ、ダメといわれているのか。
はたして、本当にダメなのか。
今回は、その理由についてまとめてみました。
対策方法もご紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください!
ペットが飼い主と一緒に寝たい理由とは?
そもそも、犬や猫が飼い主さんのそばで眠りたい理由とは何でしょうか。
主な理由はこの3つです。
・安心できるから
飼い主さんの匂いが強い寝具は、ペットにとって安心できる場所だといえます。
寝るときは無防備な状態になりますから、飼い主さんの匂いが近くにあると心強いし落ち着くんですね。
お腹を見せてごろんと寝ころんでいる場合、それは安心して眠れる空間だということです。
・温かいから
人の体温や布団の温かさ。
このようなふわふわした寝具や体温に惹かれていることもあります。
とくにこれからは寒い冬がやってきますから、より一層そばで眠りたいとすり寄ってくるかもしれませんね。
・甘えん坊だから
子犬や子猫だと、この理由もメインとしてあげられるでしょう。
甘えん坊でいつでも飼い主さんと一緒に居たいというペットは、お留守番も苦手な傾向にあります。
また、日頃ひとりでお留守番している時間が長いのであれば、眠るときくらい主人のそばで甘えたいと思っているかもしれません。
しかし度を超えた甘えん坊はしつけの問題もあるかもしれないので、注意が必要です。
ペットと一緒に寝ることは何が問題なの?
ペットが飼い主さんと一緒に寝たい理由がわかったところで、「ペットが寝たがっているのに、なぜ一緒に寝ると問題があるのか」についてご紹介します。
<ペットと飼い主が一緒に寝る問題点>
・飼い主さんがいないと眠れなくなってしまう
毎日飼い主さんのそばで寝ていると、自分だけで寝ることができなくなってしまう問題があります。
病気やケガになって動物病院へ連れて行ったとき、用事があってペットホテルに預けるとき、災害時に避難所で過ごすとき…。
このような状況が発生した際、ケージやクレートに入るのを嫌がるようになってしまいます。
入院やペットホテルのお泊りに飼い主は同伴できません。
また、避難所は犬や猫などの動物が苦手な市民もいますから、放し飼いにできません。
いつもは家だから心配しなくても、どこか別の場所で寝なければならない時がきたらどうでしょう。
普段飼い主さんのそばで寝ていたペットは、ひとりで寝ることに極度の不安を感じてしまうかもしれないのです。
何度か同じことが重なると、ケージやクレートに入れられると「飼い主さんと離れ離れにされる」と理解し、吠えるなどの問題行動を起こすケースもあります。
ひとりで寝られない状況が、外だけとは限りません。
家族が増えたり、アレルギーを発症したりした場合、これまでと同じように愛犬や愛猫と一緒に寝られなくなるかもしれないですよ。
そのようなとき、急にひとりで寝るのはペットも心細いのです。
飼い主さんがいなくても安心して眠れるように準備しておいた方がいいかもしれません。
ずっと飼い主さんと一緒にいると、分離不安症という心の病を発症する可能性もあります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
・事故が起きる危険性
問題点のなかでもとくに注意したい点はこちらです。
ペットと寝具を共にすると、事故が起きる危険があります。
ベッドやロフトタイプなどの寝具を使っているなら、ペットが落下してしまうかもしれません。
猫や小型犬であれば、ベッドの高さは自分の大きさ以上です。
いくら運動神経がいい動物とはいえ、無防備な睡眠時です。
落下を防げない場合もあります。
頭などの打ち所が悪ければ、意識を失うこともあり得るでしょう。
睡眠中の飼い主がそれに気づけないと、大変な事態になりますよね。
また、飼い主側の不注意で、無意識にペットを踏みつぶしてしまう事故もあります。
「睡眠中とはいっても、踏み潰すことなんてない」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
しかし小さい犬や猫の場合、足やしっぽを軽く踏まれただけでも自力で抜け出せない危険があるのです。
踏み潰さない保証があるわけではないので、注意したい点といえます。
・病気になる危険性
これまではペット側が危険になるケースを紹介しましたが、病気は人間側も気をつけたいポイントです。
病気は主に皮膚炎やアレルギーなど。
皮膚炎の代表といえばノミやダニといった寄生虫。
これらがペットに付着していた場合、一緒の布団で寝ることで人間にも感染してしまうかもしれないのです。
完全室内飼いであっても、犬は散歩で草むらを駆け回りますし、猫だって部屋に出入りする人間の衣服についた猫ノミをもらう可能性は十分あります。
また、ペット可の集合住宅に住んでいる場合、他の犬や猫からノミをもらうことも考えられます。
目に見えない分、どこに潜んでいるのか分からないのが寄生虫の厄介な点なのです。
また、ペットのよだれや毛にも注意が必要です。
毛やよだれにはアレルゲンが付着している可能性があるため、人間が吸い込むとアレルギー反応を起こす危険があります。
今まで動物アレルギーを起こしたことがない人でも、衛生環境によっては発症するリスクがあります。
人と動物が極端に接触しすぎると、その他の感染症を引き起こすリスクも否定できません。
動物と人間の間でうつる病気として「人畜共通感染症(ズーノーシス)」は有名です。
いくら大好きなペットでも、適切な距離感が大切といえますよ。
<問題点に注意できれば一緒に寝ても大丈夫!>
とはいえ、ペットは癒しの存在ですし、家族も同然。
一緒に寝ることで、飼い主さんも安心感と安らぎを感じることでしょう。
そのため、注意点を抑えていれば、必ずしもダメとはいえないようです。
上記の問題点を踏まえていえることは、この5つの対策。
- ペットがひとりでも眠れるように訓練をしておく
- 高い場所や狭い場所では一緒に寝ない
- ノミやダニの予防を徹底する
- ペットの体を清潔に保つ
- シーツの洗濯を頻繁におこなう(丸洗いできる布団だとさらによい)
これらを意識して実践することで、ペットと寝る問題は改善できそうです。
また、一緒に寝ているときに布団でトイレをしてしまわないよう、近くにペット用のトイレも用意しておくとよいでしょう。
ペットがひとりでも眠れるように訓練するならクレートがおすすめ!
クレートとは、主に犬を持ち運ぶ際に利用するケースのことで、プラスチック製や布製などさまざまな種類があります。
犬と暮らしている方ならほとんどの方が持っているでしょう。
外出時に利用するクレートですが、じつは寝床のトレーニングにも適しているんですよ。
クレートにペット自身の匂いがついたタオルなどを敷き、扉を開けておきます。
ペットが安心する寝心地のよい空間を意識して、クレートの中を工夫しましょう。
クレートを設置してその日の夜、すぐそこで寝かせるのではなく、日中の時間からクレートに慣らしていきます。
昼寝やお留守番のときにそのクレートに入っているようなら、安心してきた証ですね。
クレートトレーニングのポイントは徐々に慣らしていくこと。
慣れてきたら自らそこに入って眠りにつくでしょう。
クレートの空間に慣れさせておくのは、睡眠時以外にも役立ちます。
たとえば災害時や病院への移動の際、クレートに慣れていないペットであれば、怖がる傾向にあります。
病院にいくときだけ使用している方の中には「ペットが嫌がっておとなしく入ってくれない」と苦労している方もいるのではないでしょうか。
それもそのはず。
犬や猫たちは「入ったら注射されるところに連れて行かれる」と分かっているためです。
この不安感を取り除けるのも、クレートトレーニングのよいところ。
怖い場所という認識をなくすために、おやつやお気に入りのおもちゃを入れてあげるのもよいでしょう。
クレートは犬と同様に猫も活用できます。
普段はクレートを押し入れにしまっている方は、これを機に活用してみましょう!
まとめ
大好きな飼い主のそばは安心できる絶対領域。
一緒に寝たいとすり寄ってくるペットはとても可愛いですが、注意点も理解しておきましょう。
とくに、離れるのを極端に嫌がるペットには、安心できる空間が飼い主のそば以外にもあると分からせるのも大切です。
ひとりで寝る練習もした上で、たまに一緒に寝るくらいが適度な距離感かもしれませんね。