アニマルセラピーがうつ病に効果があるってほんと?

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近年、うつ病は心の病として知名度が上がってきました。

うつ病は性格的なもの以外に、じつは社会的な要因が大きいことをご存知ですか?

ストレス社会に生きる私たち日本人には、特に注意が必要な障がいのひとつといえるでしょう。

ストレスを緩和するひとつとして「ペット」の存在があります。

ペットをはじめとした動物たちは、現代人に癒しを与えてくれますよね。

以前もご紹介した、「アニマルセラピー」という効果です。

そこで今回はうつ病について、そしてその治療法としてアニマルセラピーは有効なのか考えてみました!

ペットと健康について知りたい方は、ぜひ最後までお付き合いください。

 

うつ病の症状や原因ってどんなもの?

<うつ病の症状>

「憂うつな気持ち」「落ち込んでいる気分」「体がだるい」などの状態のことを抑うつ状態といいます。

このような精神的・身体的な症状が長い間続くことでうつ病(気分障がい)になるのですが、この症状だけですぐにうつ病と診断されるわけではありません。

上記以外の主な診断ポイントはこちらです。

  • 悲しい
  • 不安
  • イライラ
  • 集中力がない
  • 好きなこともやる気が出ない
  • 細かいことが気になる
  • 自分を責める
  • ネガティブに物事を考える
  • 死にたい
  • 眠れない

 

また、身体的な症状としては

  • 食欲低下
  • 体のだるさ、疲れやすさ
  • 性欲がない
  • 頭痛やめまい、肩こり
  • 胃腸の不快感
  • 口の渇き

などがみられます。

 

「うつ病」は本人の心の病気だと捉えられがちですが、周りから見て気づくこともあります。

暗い表情をしていたり、ぼーっとしていて反応が遅かったりといった状態は周りから指摘されて気づけること。

また、飲酒量が増えることもうつ病の症状のひとつだといわれています。

飲酒量については、家族や親しい友人などに指摘されて気づく場合もあるでしょう。

 

<うつ病と勘違いしやすい「双極性障がい」とは>

また、うつ病と似ている病気として「双極性障がい」があります。

こちらは、うつ状態と、うつ状態とは対極の躁状態がくりかえし現れる精神疾患のひとつです。

抑うつ状態の症状に加え、このような症状がみられます。

  • ほとんど寝ることなく活発に動いている
  • 休む間もなくしゃべり続ける
  • じっとしていられず仕事を仕上げられない
  • ひとつのことに集中できない
  • なんでもできるような気分になる(誇大妄想)
  • 浪費が激しい

 

「双極性障がい」のポイントは本人が気づきにくいところ。

自分では元気な状態が当たり前だと思っていて、抑うつ状態のときに診察を受けて「うつ病」と診断されることがあるといわれています。

「自分ってうつ病かもしれない」と思ったら、「双極性障がい」の可能性も考えた方がよいかもしれません。

 

<うつ病患者って増えているの?背景や原因とは?>

厚生労働省がおこなっている調査によると、うつ病・双極性障がいの患者数は、平成23年で95.8万人、平成26年で111.6万人、平成29年で127.6万人となっています。

うつ病は、近年急速に増加がみられる精神疾患のひとつなんですね。

うつ病が増えている背景としては

  • 「うつ病」の認知が広まり、診察を受ける方が増加
  • 社会的な影響で抑うつ状態になる人が増加
  • 診断基準の拡大

 

などがあげられます。

うつ病は一般的に若者に多いといわれていますが、日本では中高年でも発症が多くみられます。

そのため日本のうつ病患者は、社会的な影響を原因として発症する傾向にあると考えられています。

社会的な影響といえば「経済的要因」「対人関係のストレス」など。

昨今では、新型コロナウイルスによる経済面の打撃や生活環境の変化により、社会ストレスを受ける方が増加しているという声も聞かれます。

日本人の100人に3~7人は経験したことのあるうつ病。

現代のストレス社会を生きる私たちにとって、うつ病は他人事として片づけられない身近な精神疾患といえるでしょう。

 

参考サイト:【https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_depressive.html

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うつ病の治療法は薬だけじゃない

 

「うつ状態は心の風邪だから、薬を飲めば早く治せる」との考えは安易だとされています。

たしかに、原因がはっきりしているときは薬によって治療できる場合もあります。

たとえば、身体的な持病が要因である場合、その治療をおこなうことでうつ病が解決するケースです。

では、日本の中高年に多い「社会的環境」を原因とするうつ病は薬で治せるものなのか。

これには疑問が残ります。

薬によって一時的に、落ち込んだ気分を改善したり、楽しみを取り戻したりといった効果は得られるでしょう。

しかし、うつ病が軽症の場合、抗うつ剤があまり有効でないとする報告もあります。

うつ病は心の問題であり、その原因に深く向き合って根本的な解決を目指すことが大切でしょう。

 

<心と体の休養・生活の見直し>

うつ病の治療としてまずは、仕事や学校、家事などを調整して心と体を休めること。

うつ病になる方の特徴として、性格が「真面目」「責任感が強い」などがあげられます。

このような方は、休むことは周りに迷惑がかかると考える傾向にあるので、休憩時間を積極的に取り入れることは効果があります。

うつ病は睡眠障がいや食欲不振が重なっていることもあるので、生活習慣を改善することも効果があるでしょう。

 

<アニマルセラピーはうつ病の治療に効果があるのか>

薬物療法や心と体の休息以外にも、うつ病の治療法はあるといわれています。

有酸素運動をおこなう運動療法などもそのひとつです。

他にも、アニマルセラピーが注目されています。

アニマルセラピーとは、動物と関わることで健康の質を向上させる療法のこと。

犬や猫などの動物とふれあうことで、以下の3つの効果が期待されています。

  • 精神的効果
  • 身体的効果
  • 社会的効果

 

このなかでも、うつ病の治療には「精神的効果」による影響が強いかもしれません。

なぜなら、アニマルセラピーの精神的効果として

  • ストレス症状の改善
  • 抑うつ症状の改善
  • 自発性の向上

 

などがあげられるからです。

動物のもたらす癒しが、心の回復につながるんですね。

とくに哺乳類の動物とふれあうことで、その効果が得られるといわれています。

またアニマルセラピーは、身体的な効果を発揮し、うつ病の改善に役立つこともあるんですよ。

たとえば犬を飼っている場合、決まった時間に愛犬を散歩に連れていくことで「規則正しい生活」を送ることにつながり、体の健康が保てます。

そして、散歩といえど少しの運動になるので、食欲も出てきます。

食欲不振などの症状が改善される可能性がありますね。

疲れたら眠くもなるので、「なかなか寝つけない」という睡眠障がいが改善する可能性もあるでしょう。

 

猫などの散歩の必要がない動物でも、ペットとして一緒に暮らすことで世話をする機会がうまれます。

エサやりやトイレの片付けなどのお世話は「かわいいペットのためにがんばろう」と自発性が向上することにつながります。

このように、動物を介した精神的な癒しや行動は、健康な心と体を育てることに関連しています。

動物とふれあうこと自体がうつ病の改善になるわけではないかもしれません。

しかし、そのふれあいを通してうまれる感情や意識、日常的な動作などが、間接的に抑うつ状態を改善することにつながっていると考えられるんですよ。

 

参考サイト:【https://www.smilenavigator.jp/utsu/about/

【2020年4月新施設オープン】日本初!保護犬・保護猫と暮らす障がい者グループホーム

ペットを飼っていないとアニマルセラピーの効果は得られないの?

 

アニマルセラピーの効果は、主にペットとの生活を通して期待できるとお話しました。

しかし、事情があってペットを飼えない方もいますよね。

とくに、うつ状態にあると自分のことで精一杯になるので、ペットのお世話まで気が回らない方も少なくありません。

ペットが死んでしまったら、そのショックでさらにうつ病が重くなってしまうこともあります。

 

また、ペットは人形ではないので、慰めてもらおうと自分の都合でしょっちゅう抱きしめると、ペットもストレスを感じます。

そのため、じっくりと検討してから決断する事が大切です。

ペットが飼えないからといって、アニマルセラピーの効果が得られないわけではありません。

アニマルセラピーの効果はお世話することだけでなく「ふれあうこと」がその根幹となっています。

自分のペットでなくても効果は期待できるでしょう。

  • ペットを飼っている周りの友人に、ペットと会えないか相談してみる
  • 犬カフェや猫カフェといった動物とふれあえる場所に行く・アニマルセラピーを行なっている団体の活動に参加してみる

 

このように、動物とふれあえる機会はあります。

ペットを飼う決心をする前、もしくは代替案として活用してみてくださいね。

グループホームわおんでもアニマルセラピーを活用しています

障がい者グループホーム「わおん」では、障がい者とペットが一緒に暮らすことで、人間と動物それぞれの福祉を追及しています。

アニマルセラピーの効果はうつ病の治療だけではありません。

その他の精神疾患やリハビリなどにも効果があるとされており、それをグループホームでも活かそうと取り組みをはじめました。

障がいを持っていても当たり前にペットと暮らせる地域社会。

それを実現するために、活動を全国にひろげています。

くわしくはこちらのHPをチェック!

障がい者グループホーム

まとめ

いかがでしたでしょうか?

ストレスの多い現代社会では、誰もがうつ病と隣り合わせに生きているかもしれません。

日々の暮らしに動物の癒しをプラスすることで、明るい生き方につながるかもしれませんよ。

 

「いえらぶポータル」ではペット可物件やペット共生型賃貸物件をご紹介していますので、ぜひご覧ください。

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