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現在、障がい者の住まい供給が不足しているというのはご存知ですか?
障がい者グループホームは、その問題を解決できる共同生活援助の住まいです。
障がいのある方はもちろん、入所施設のスタッフからも障がい者グループホームは供給が足りていないといわれています。
そこで今回は、障がい者グループホームの経営についてまとめてみました。
開設の流れや、運営の効率化に役立つ情報などもご紹介しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
障がい者グループホームの需要
<障がい者グループホームとは>
障害者総合支援法に定められる「障害福祉サービス」のひとつで、共同生活援助ともいわれています。
平成26年に、「ケアホーム」から「グループホーム」へと一元化されました。
障がい者グループホームとは、専門スタッフの援助を受けながら、障がいのある人が一般住宅で共同生活を行う施設です。
援助の内容は、食事や入浴、家事、所持金管理、生活相談などの日常生活にかかわる支援全般。
「入所施設と変わらないのでは?」
そう思った方もいるでしょうか。
入所施設や病院のような住宅地から離れた環境ではなく、地域の中で自然に暮らせる住まいづくりを目指しているのがグループホームになります。
障がいのある方も普通に暮らせる場、自分に合ったくらしを実現できる場として、利用者の需要も高まっており、注目されています。
<障がい者グループホームの需要>
「障がいがあっても地域の中で暮らし続けたい」という思いからスタートしたグループホーム。
事業展開は、「サービス付き高齢者住宅」と似ています。
サービス付き高齢者住宅とは、高齢者が安心して暮らせるサービスを提供するバリアフリー対応の賃貸住宅のこと。
民間事業者が運営しています。
「地域包括ケアシステム」の施策として始められたもので、主に介護を必要としない高齢者が、地域の中で自分らしく暮らしていけることを目的としています。
高齢社会の日本では需要も高く、建設費の補助や固定資産税の軽減などによる優遇措置を背景に、建設が増えていきました。
しかし、近年、市場の飽和や介護報酬の改定により、収益の確保が困難となってきています。
サービス付き高齢者住宅は、ビジネスの生き詰まりが見え始めたのです。
そこで現在注目されているのが、障がい者グループホーム。
住宅と福祉サービスの提供という点は「サービス付き高齢者住宅」と変わらないので、新規の事業より失敗する可能性も少ない。
そして、「障がい者グループホーム」はサービスより福祉に重点を置いているため、国からの減算も少ないといいます。
また、「厚生労働省 介護保険事業状況報告の概要 (令和元年8月暫定版)」によると、要介護(要支援)認定者数は、665.7万人。
この数値は割合にすると約4%です。
対して、「内閣府 令和元年版障害者白書」では、国民のおよそ7.6%が身体・知的・精神などの何らかの障害を有していることが分かりました。
人口割合でみても、障がい者グループホームは需要があることがわかります。
国としても、施設入所者数の削減に関する目標を設定しています。
そのため、入所施設での受け入れが少なくなっていくことを考えても、グループホームの需要が高まるといえます。
グループホームの開設・経営
サービス付き高齢者住宅の開設は、市場飽和により制限がかかってきています。
障がい者グループホームもこれを踏襲して、総量規制を設ける可能性が考えられます。
障がい者グループホームの開設を迷っている方は、早めに決断した方がいいかもしれません。
さっそく、開設の流れや経営のポイントをみていきましょう。
<グループホームを開設するには>
- 資金調達
ゼロからグループホームを設立する場合、土地取得費や建物建設費、人材確保費などが必要になります。
調達方法は自己資金か金融機関融資になるでしょう。
融資を受ける際は、事業計画書を作る必要があります。
給付金目当てで施設を建てようとする事業者が増えていることを、金融機関も懸念しているため、福祉について理解があることを示す姿勢がポイントです。
また、グループホームの設立には国から補助金が支給されることがあります。
補助金は自治体ごとに異なるので確認しましょう。
土地や建物がまだ決まっていないのであれば、もらえる補助金が多い自治体で新たに設立するという方もいます。
- 法人格を取得する
すでに法人化されている場合は問題ありません。
定款に「障がい者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障害福祉サービス事業」という文言が入っているか確認しましょう。
- 設置基準を満たす
場所・建物・人員・運営基準についてそれぞれ基準を満たす必要があります。
詳しくは厚労省の資料をご覧ください。
- 指定申請手続き
グループホームは、障がい者総合支援法に基づく障害福祉サービス事業にあたります。
開設する都道府県の自治体に指定申請をおこないましょう。
必要な書類は以下の通りです。
指定申請書
付表
法人の定款
登記簿謄本
従業員の勤務体制及び勤務形態の一覧表
組織体制図
管理者の経歴書
サービス管理者の経歴書(資格・実務経験証明書
平面図
居室などの面積一覧
設備 備品一覧
運営規定
誓約書
役員名簿
介護給付費等算定届
事業等開始届
利用者からの苦情を解決する為に講ずる措置の概要
協力医療機関の名称や契約の内容
事業計画書
収支予算書
賠償責任保険の書類
参考サイト
<障がい者グループホームの経営ポイント>
- 家賃の設定
「グループホームを利用する障害者の生活実態に関する調査研究」によると
”家賃は、国や自治体独自の家賃助成等を含め月額平均 31,162 円であった。”
ということから、障害基礎年金の範囲でおさまるのが理想といえそう。
家賃滞納の心配もありませんので、退去率が低く、長期安定が望めます。
- 入居の対象者
障がい者グループホームの需要が高まっていることから、参入する事業者もどんどん増えています。
全国の障がい者グループホームの入居率は約9割を超えており、他の事業者と同じ取り組みでも現在は経営の心配はないかもしれません。
しかし、これから先を見据えて「需要」を考えるのであれば、重度の方も入居できるグループホームを検討してみることをおすすめします。
以下は、厚労省「共同生活援助に係る報酬・基準について」からの抜粋です。
”○ グループホーム利用者の重度化・高齢化は年々進んでおり、障害者総合支援法の見直しに関する報告書(平成27年12月14 日)では、「障害者の地域移行の受け皿となるグループホームについて、重度障害者に対応することができる体制を備えた支 援等を提供するサービスを位置付け、適切に評価を行うべきである。」とされている。
○ また、報酬改定検討チームにおける関係団体ヒアリングにおいても、グループホーム利用者の重度化・高齢化に対応するた めの報酬改定を望む多数の意見・要望があった。”
既存のグループホームは、比較的軽度から中度の障がい者を受け入れている傾向にあります。
こうした中、重度障がい者の入居者の需要もあるということを戦略として覚えておくといいかもしれません。
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しかし、管理者やケアマネージャーが他に労力を割いている部分として、事務作業があげられます。
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また、厚労省では、介護分野の事務作業をITを使って効率化させようと検討しています。
今後の展開として、国の政策もチェックしておくといいかもしれません。
詳しくはこちら。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
障がい者グループホームを経営するうえで少しでも参考になれば嬉しいです。