アニマルシェルターとは?活動内容と抱えている問題点

アニマルシェルターとは?活動内容と抱えている問題点

 

アニマルシェルターをご存知ですか?

聞いたことはあるけど、詳しくはよくわからない…という方も多いのではないでしょうか。

アニマルシェルターは、簡潔にお伝えすると、動物の保護施設のことで、犬・猫などの里親を探しています。

 

この記事では、アニマルシェルターとは何をしている施設なのか、その活動内容や抱えている問題点などをまとめています。

これから犬や猫を飼いたいと考えている人はもちろん、飼育するのはむずかしいけど動物とふれあいたい、殺処分問題に何か少しでも貢献したい、とお考えの人もぜひご一読ください。

 

アニマルシェルターとは?何をする施設なのか

1アニマルシェルターとは?何をする施設なの?

 

アニマルシェルターとは、日本語では「動物保護施設」や「動物保護センター」とも呼ばれ、その名のとおり動物を保護するための施設です。

「アニマル」と言うと幅が広いですが、家庭でペットとして飼育されていた動物のための施設であるため、犬や猫がもっとも多く保護されています。

 

「シェルター」は、一時的な避難所という意味合いを持っており、アニマルシェルターとは、人間によって行き場を失ってしまった動物を一時的に保護し、家庭動物としての訓練や、怪我などの治療、不妊・去勢手術、ワクチン接種などをおこない、新たな飼い主と動物との出会いをサポートする役割を持っています。

基本的には里親を探すことを目的としていますが、譲渡には慎重で疾患や障害で譲渡が困難な動物については、施設によっては終生飼育もおこなっている場合もあります。

 

気をつけなければならないのは、アニマルシェルターは動物を放棄するための施設ではありません。

アニマルシェルターだからといって、施設に許可なく動物を遺棄するようなことは、絶対にあってはならないことです。

「施設が満杯になっている」など、理由があり新たな受け入れがむずかしいという可能性もゼロではありません。

無いほうが良いことですが、わけがあってどうしても飼えなくなってしまった…という場合、必ず施設に相談をしましょう。

 

海外ではアニマルシェルターの数が多く、機能的で、里親が見つかりやすい国もありますが、日本ではまだ数が少なく知名度もあまり高くないようです。

保護されている犬や猫を引き取りたいと考えている人は、一度アニマルシェルターに見学に行ってみてはいかがでしょうか?

施設によっては活動を広めたいという意思から、飼育が目的でなくても施設の見学を受け入れている場合があります。

里親になるだけでなく、寄付やペット用品の購入などによる金銭的な支援や、保護動物のお世話をボランティアでおこなうなど日々の業務内容を支援したり、現状を知って情報を拡散するなど支援の方法はいくつかあります。

 

気になった施設がどのような活動をおこなっているか確認し、ひとつでも多くの命を救うため、ぜひ活動を支援してください。

 

日本にあるアニマルシェルターの主な活動内容

2日本にあるアニマルシェルターの主な活動内容

 

アニマルシェルターで保護されているのは、飼い主から飼育放棄された子や、繁殖に利用され役目を終えたとされる子、多頭飼いの飼育崩壊など、理由はそれぞれですが、人間の都合で行き場を失ってしまった動物たちです。

そのため、保護直前まで環境が劣悪であることも多く、飢餓状態であったり、病気に冒されていることもあります。

アニマルシェルターでは、動物の治療や避妊・去勢手術などをおこない、動物たちの心身のケアを施しながら、行政や医療機関と連携し、様々な活動・業務をおこなっています。

 

主な活動内容には下記の8点があげられます。

 

  • 保健所から保護動物の引き取り
  • 動物の健康管理(避妊・去勢手術、投薬などのケア)
  • 家庭で飼育するための訓練
  • 餌やりや散歩など、動物のお世話
  • 動物を飼育するための施設内の清掃
  • 里親希望者などからの問い合わせ対応
  • 譲渡会の運営
  • 行政機関との書類のやりとり、施設運営のための事務仕事

 

運営スタッフの方のケアにより、保護時点では生命活動の維持や、家庭での飼育が困難だった動物も、元気に回復し新しい家族を見つけられるまでになります。

 

どの施設も殺処分をゼロにすること、保護した動物を幸せにすることに重きを置いているため、里親を探しには慎重で条件や審査が発生し細かい点は施設ごとに異なりますが、総じて「最後まで責任を持って動物を飼育できる環境が整っているかどうか」を確認しています。

動物を飼育する全ての人に言えることですが、自身の行動に責任を持ち、生き物の命を大切にしてほしい、それだけなのです。

 

しかし、施設内で飼育する動物の数が多くなるほど、お世話や清掃などさまざまな業務のボリュームが増し、その管理がむずかしくなります。

そのため、施設によっては動物のお世話をしてくれる、ボランティアスタッフを募集している場合もあります。

飼育はむずかしいけど、動物とふれあいたい!何か動物たちの役に立ちたい!という方は、施設に問い合わせて、元気になった犬猫たちとめいっぱいふれあってあげてください。

 

アニマルシェルターが抱える問題点

3アニマルシェルターが抱える問題点

 

アニマルシェルターが抱える問題点はいくつかあり、大きく4つに分けられます。

 

  • 資金面での問題
  • 保護対象の数が多すぎて受け入れきれない
  • 里親がなかなか見つからない動物の扱いについて
  • 周辺環境の問題

 

まず一番にあげられるのが資金的な問題です。

 

動物を保護するための施設を運営し、衛生管理をおこない、医療処置やエサなどの準備、スタフの手配など、施設を維持し、動物を飼育し続けるには大きな費用が必要です。

行政からの補助があったとしても、それだけでは運営していくことはむずかしく、保護動物の数が増えるほどに継続がむずかしくなる場合もあります。

 

それでも保健所からの引き取りなどで保護動物は日々増え続けます。

 

そんななか、心ない飼い主が「ここに置いておけば何とかしてくれるだろう…」という思いから、無断で動物を放置していくケースも見られ運営側の「動物を守りたい」という気持ちがいくら強くても、どうにもできない問題もあります。

 

どうしても飼えないという場合は施設に連絡し、引き取りの許可を得たうえでワクチンの接種状況や持病の有無など、「どんな環境で暮らし、現在どんな状態なのか」、動物のために最低限の情報共有はおこなっていただきたいものです。

 

そして、里親探しでは、新しい家族にスムーズに迎えられる子もいれば、見た目や年齢、性格、持病など、個々が持つ「何か」が要因となり、なかなか里親が見つからない子もいます。

施設によっては終生飼育をおこなっている場合もありますが、飼育できる数にも限界があり、里親が見つからない動物をどうするのかもアニマルシェルターが抱える大きな問題のひとつです。

 

最後に施設周辺の環境についてですが、動物の鳴き声や臭いなどにより、近隣からクレームが発生することもありご近所の方との折り合いも問題になっています。

 

さまざまな問題から、欧米諸国のペット先進国から、日本の保護施設は環境や体制の面でやや遅れている部分もあります。

 

まとめ

 

まだまだ知らない人も多い「アニマルシェルター」ですが、現場の方たちは保護された動物のこれからの幸せのために、一生懸命さまざまな活動をおこなってくれています。

今や動物の殺処分の問題は、個人だけで解決できる問題ではなく、大きな社会問題となっています。

 

保護施設の運営を他人事のように傍観するのではなく、まずはこのような施設があり、活動をおこなってくれている人たちがいるということを知り、今自分ができる方法で支援をおこない、人と動物とがうまく共存している世の中を、みんなで協力し合いながらつくっていけたらいいですね。

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