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ペット栄養管理士という資格をご存じですか?
ペットは人間のように自分で食べ物を選ぶことはできないですよね。
「この食べ物はペットに与えても大丈夫かな…」「この食べ物はペットにとって栄養があるのかな…」と考えたことがある方も多いはずです。
ペット栄養管理士はペットの食事におけるスペシャリストと言われており、幅広い年代の方が資格取得に励んでいますよ。
今回は、ペット栄養管理士はどのような資格なのか、受験資格や資格取得のその後についてお話ししたいと思います。
ぜひチェックしてくださいね。
ペット栄養管理士とはどのような資格?
ペット栄養管理士とは、「日本ペット栄養学会」が主催する認定試験に合格することで取得できる「民間取得」です。
冒頭でもお伝えしたように、ペットは人間と同じように食べ物を選ぶことはできないですよね。
そのため、ペットに代わって飼い主がしっかり食事の栄養管理をおこなわなければなりません。
ペット栄養管理士は、大切な家族の一員であるペットがより安心・安全で健康的な食事によって長生きできるよう、サポートするという役割もありますよ。
<ペット栄養管理士の受験資格>
ペット栄養管理士の資格を取得するには受験資格が設けられているため、取得を考えていてもすぐに取得できない可能性があります。
年齢や国籍などの条件はありませんが、以下の①~⑤のうちいずれかに該当するものがあればペット栄養管理士の試験を受験することが可能です。
①大学において獣医学、農芸化学、畜産学のいずれかを修了した方
獣医学:獣医学科・獣医保健学科など
農芸化学:バイオサイエンス学科など
畜産学:応用動物学・資源動物学・動物生産学・応用生命科学・応用生物科学・生物機能科学・生物資源科学など
②日本ペット栄養学会認定委員会が認定しているペット栄養管理士特別認定校(専門学校など)で動物看護師統一認定受験資格を取得した方
③認定委員会に①と②と同等の資格、またはそれ以上の資格を持っていると認定された方
④平成14年1月に開催された「ペット栄養管理者養成講習会」を受講した方
⑤ペット栄養管理士養成講習会A・B・Cの3教程を受講した方
<ペット栄養管理士養成講習会とは?>
ペット栄養管理士の資格取得を目指している方は、⑤でご紹介した「ペット栄養管理士養成講習会」を受けて受験資格を得る方が多いようです。
講習会はA・B・Cの3教程で構成されていますが、順番に関係なく最終的に3教程すべて受講することで受験資格を得ることができます。
受講料としては、テキスト付きの初回講習会受講で10,500円、テキストなしの2、3回目の講習会受講で6,000円となっています。
受験資格を得るまでに最短で2年を要しますが、試験内容は講習会で勉強した内容から出題されるので、合格までの難易度はそこまで高くないと言えます。
ペット栄養管理士の試験内容や試験料・難易度について
ここではペット栄養管理士の試験内容や試験料・難易度についてお伝えします。
<ペット栄養管理士の試験内容>
試験内容としては、「ペットフード総論」・「ペット基礎栄養学」・「ペット臨床栄養学(衛生学を含む)」の3種類の科目の中から100問出題されます。
「ペットフード総論」は市販のペットフードと手作りのペットフードの違いなどの知識、「ペット基礎栄養学」はペットが健康で長生きするのに必要な栄養素や、1日に必要な栄養素にまつわる知識となります。
「ペット臨床栄養学」は、ペットが病気などで体調不良になった際に、必要な栄養素は症状によって異なるため、その病気に応じてペットに必要な栄養素などにまつわる知識が問われます。
専門的な出題科目となりますが、上記でお伝えしたように講習会で勉強した内容が出題されるので、講習会を受講した時点で試験は始まっていると思って受講したほうがよいでしょう。
試験はマークシート方式での解答となります。
<ペット栄養管理士資格の年間試験回数>
ペット栄養管理士資格の試験は、原則として3月・7月・12月の年に3回実施されています。
受験回数の制限などは設けられていないので、受験資格を持っていれば何度でも挑戦できますよ。
<ペット栄養管理士資格の試験料や提出書類>
試験を受けるには試験料11,000円(税込)を指定の郵便口座に振り込みます。
受験資格の5項目のうち、①と②の大学や専門学校で受験資格を得ている方は、「卒業証書の写しまたは在学証明書」を提出します。
③の認定委員会に同等、またはそれ以上の資格を持っていると認定された方は「履歴書」を提出し、④の平成14年1月に開催された「ペット栄養管理者養成講習会」受講した方は「修了証書の写し」を提出します。
⑤の講習会で受験資格を得た方はA・B・Cの各講習会で得た修了証書の写し3枚を提出します。
受験可能と認められた方には、順次受験票が発送されます。
<ペット栄養管理士の難易度や合格率は?>
ペット栄養管理士は受験資格が設けられており、受験資格を得るまでに時間を要しますが、口コミの情報では比較的簡単に取得できる資格と言われています。
講習会で講習を受けて受験資格を得た方は、講習内容をしっかり聞いて理解していれば難易度は高くないでしょう。
ペット栄養管理士の合格率は非公開となっていますが、日本ペット栄養学会が販売する過去問や類似試験テキストから出題されることが多いため、テキストを勉強するだけでも十分に合格を狙えます。
テキストは1冊6,000円で販売されていますよ。
<ペット栄養管理士の合格発表とその後の手続き>
ペット栄養管理士の合格発表は試験の約1か月後となります。
合格後は管理士名簿登録申請をおこなう必要があり、名簿登録申請には日本ペット栄養学会の会員であることが条件となっています。
日本ペット栄養学会会員となるには、年会費5,500円(税込)、学生会員の場合は2,200円(税込)かかります。
管理士名簿登録申請をおこなうには、登録手数料として11,000円(税込)、交付から3年後には更新手数料の3,300円(税込)が必要となります。
どんな人が資格取得に向いている?
ペット栄養管理士の資格取得を目指す方は、ペットに安全で安心な食事をさせてあげたいと考えている方が多く、主婦(夫)や会社勤めの方、動物関係の仕事をしている方と幅広いです。
とくに動物看護師やドッグ・キャットカフェスタッフ、トリマー・ドッグトレーナー・ペットフード販売者などのキャリアアップやスキルアップのために資格取得を目指す方は多いですよ。
動物病院で働いている方やトリマーなどは飼い主からペットの健康相談を受けることも多いので、ペット栄養管理士の知識が非常に役立ち、的確なアドバイスができるでしょう。
また、資格取得後はペット栄養管理士としての知識を活かしペットの食事にまつわるセミナーや教室開くことが可能になるため、ペットの手作り食教室を開いたりペットと一緒に食事が楽しめるカフェを開いたりと幅が広がる可能性が高いです。
ペットフード会社などで働いている方は、ペット栄養管理士の知識がペットフードの品質向上に役立つこともあります。
ほかにも、近年増えつつあるペットホテルやペットシッターというようなサービスでも十分に活用できるでしょう。
まとめ
ペット栄養管理士の資格を取得するにはそれなりに費用がかかってしまいますが、さまざまな動物に関わる仕事で役立ちます。
大切なペットに長く生きてもらうために、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか?