就労継続支援B型ってなに?対象となる人とは

「就労継続支援B型とはどんなものかわからない」と思っている方は多いと思います。

就労継続支援B型は通常の事業所に雇用されることが難しく、雇用契約に基づく就労が困難である人のために、就労に必要な訓練をおこなうことができる障がい福祉サービスのひとつです。

今回は、この就労継続支援B型について詳しくお伝えします。

 

就労継続支援B型とは?

就労継続支援B型とは?

就労継続支援B型は、年齢や体力的な理由から通常の事業所などと雇用契約を結んで就労することが困難となる障がい者や難病のある人に対して、軽作業などの就労訓練をおこなうことができる福祉サービスです。

自分の体調や障がいの度合いに合わせて、比較的簡単にできる作業を短時間から働くことが可能で、生産活動をおこなうことで就労する際に役立つ知識や能力を身に付けられます。

障がい者総合支援法に基づいて設定されたもので、事業所と雇用契約を結ばずに就労します。

報酬として支払われるのは賃金ではなく、作業をおこなってできた生産物に対する成果報酬として工賃を得ることができます。

 

就労継続支援B型の対象となる人とは?

就労継続支援B型の対象となるのは、身体障がい・精神障がい・知的障がい・発達障がいや難病のある人が対象となります。

以下のいずれかの条件に当てはまれば通所できます。

 

  1. 就労経験があり、年齢・体力的に通常の企業に雇用されることが困難な方
  2. 50歳以上の方
  3. 障がい者基礎年金1級の受給者
  4. 1~3に該当しないが、就労移行支援事業所に就労について課題があると認定された方

 

障がい者手帳を持っていなくても、医師の診断書や定期的な通院をしていれば、自治体の判断により入所できるケースもあります。

基本的に就労継続支援B型は、就労経験が必要となり特別支援学校を卒業してすぐに利用することはできません。

しかし、就労移行支援事業所を利用した際に④で認定されると利用できるようになるなど、さまざまなケースに対応しています。

 

就労継続支援B型の仕事内容はどんなもの?

就労継続支援B型の勤務内容はさまざまなものがありますが、主に軽作業が中心となります。

さまざまな仕事内容があるので、自分に合っているもの、やってみたいこと、興味のあるものに取り組めます。

たとえば、レストランや喫茶店などのキッチン業務、パン屋や菓子店でのお菓子作り、クリーニング作業、簡単な農作業や工場での部品の加工などがあります。

ほかにもパソコンでの簡単な入力作業や、WordやExcelを使った作業をおこなうこともあります。

初心者向けの仕事としては、チラシ配布やポスティングなどもありますよ。

事業所によって異なりますが、基本的には短時間の勤務となるため、自分のペースに合わせた働き方ができるでしょう。

また、休憩がしっかり設定されていることも多く、安心して働けるよう環境が整えられています。

連続しての労働が困難な方や、症状から回復したばかりでいきなり長時間の労働が難しい方でも、安心して働くことができます。

 

就労継続支援A型との違いは?

就労継続支援A型との違いは?

就労継続支援A型とB型の大きな違いは「事業所と利用者の間に雇用契約を結ぶか結ばないか」です。

就労継続支援A型は雇用契約を結ぶので雇用型とも呼ばれ、生産活動の対価として給与を支払われるのに対し、就労継続支援B型は雇用契約を結ばないので非雇用型とも呼ばれ、事業所に通所し、生産活動の報酬として工賃をもらいます。

A型は、労働者として働きながら給与をもらうことができ、就労訓練を受けると同時に就職のための知識や能力を身に付けていきます。

将来的には障がい者雇用を利用して、一般企業への就職を目的とします。

B型は、A型の仕事内容が難しい障がい者や年齢、体力的などの理由で就労することが困難な方が対象となります。

 

就労継続支援B型を利用したい場合の手続き方法

就労継続支援B型を利用したい場合の手続き方法

まず就労継続支援B型を利用して事業所で勤務するためには、ハローワークや自治体の窓口で相談して求人を紹介してもらいましょう。

インターネットでの求人情報を見て事業所を見つけることもできますが、自分に合った仕事内容かどうかをチェックすることも大切です。

また、通院している場合、病院やクリニックから事業所の紹介をしてもらえることもあるので、担当医師に相談してみるのもいいでしょう。

ここで働きたいと思った求人があれば見学を申し込みます。

見学後に気に入れば面接を申し込むことになりますが、体験ができる事業所も多いので、もしそれが可能なら決定前に一度体験してみるといいでしょう。

見学・面接・体験を経て、自分が働きたい事業所が決定したら市区町村の窓口で申し込みをおこないます。

続いて、調査員によって生活状況の聞き取り調査がおこなわれます。

その後市役所から特定相談支援事業者を紹介されるので、「サービス等利用計画案」という、どのサービスを利用するかを明示した資料を作成してもらい、(自分でも作成できます)提出します。

利用承認が受理されると受給者証が発行され、事業所に通所できます。

 

選ぶポイント

事業所ごとに作業内容は異なるので、自分の能力と作業内容があっているか見学などを通してチェックすることが大事です。

また、自分の体調や健康状態によっては少しの作業でも疲れてしまったり、事業所へ通勤だけで体力を消耗したりしてしまうことがあります。

そういう面では柔軟に対応してくれるのが就労継続支援B型の特徴なので、無理のない範囲で勤務時間や日数を伝えておくといいでしょう。

見学を通して、すでに仕事をしているほかの利用者の様子や、利用者のサポートをしてくれる職員の人数なども、事業所を決定する際にチェックすることも大事です。

忙しすぎると利用者にとって負担になったり、ストレスになったりすることがあるので自分のペースで働けるかどうかも見てみるといいでしょう。

 

就労継続支援B型の利用料

就労継続支援は外部の法人が運営するサービスとなるため、サービスを利用する際は利用料が必要です。

通所日数が多ければ多いほど利用料も高くなりますが、世帯収入によって負担上限額が決まっています。

利用料は以下の通りとなります。

 

  • 生活保護:生活保護受給世帯 負担上限額0円
  • 低所得:市町村民税非課税世帯 負担上限額0円
  • 一般1:市町村民税課税世帯 負担上限額9,300円

(※20歳以上の入所施設利用者、グループホーム利用者を除く)

  • 一般2:上記以外 負担上限額37,200円

 

就労継続支援B型の工賃はどのくらいもらえる?

就労継続支援B型の事業所で得られる工賃は、事業所によって異なり「一日900円」のように決められた金額がもらえる場合と、作業により生産された成果物の報酬として支払われる場合があります。

就労継続支援B型は雇用契約を結ばないため、法律で定められた最低賃金を下回ることが多いです。

2018年の厚生労働省の調査によると、平均月額工賃は16,118円で時間額にすると214円となっています。

しかし、近年は各都道府県において工賃を上げる取り組みがおこなわれており、徐々に月額工賃は上がっている傾向にあります。

 

まとめ

就労継続支援B型では、自分自身の体調や健康状態・精神状態に合わせて働くことが可能です。

無理のない勤務時間が組め、できそうだと思った軽作業から始めることもできます。

雇用契約を結ばないので、一般就労や就労継続支援A型と比較すると、得る工賃は低くなってしまいますが、少しでも能力や知識を向上したい方におすすめの福祉サービスですよ。

まずは、担当医師や自治体の窓口で相談してみるといいでしょう。

 

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