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ペットの可愛い写真や動画を見ていると、ペットと暮らしてみたいなと考える方もいるでしょう。
しかし、さまざまな理由からペットとの暮らしを諦める方がいます。
ペットとの暮らしを思いとどまっている方の中には、「死が怖いから飼えない」方もいるでしょう。
そこで今回はペットロスのお話です。
ペットロスの辛さと症状について
大切な人を亡くすと、しばらくの間悲しみで落ち込みますよね。
家族や友人、恋人など、大切の基準は人それぞれです。
ペットを家族同然として考えている方にとっては、ペットの死も同じようにつらいものですよね。
死を悲しむ気持ちは、ペットを大切に思っている飼い主さんであれば正常な反応といえるでしょう。
内閣府の調査によると、「ペットを飼っていない」と答えた人に飼わない理由を聞いたところ、このような結果が出ました。
- 十分に世話ができないから…46.5%
- 死ぬとかわいそうだから…35.0%
- 集合住宅であり、禁止されているから…24.6%
「一人暮らしだから世話をする時間がない」や「ペット不可のアパートに住んでいるから飼えない」などはよく聞く理由だと思います。
しかし意外にも、「死のつらさ」を理由にペットとの暮らしを諦める方も多いのです。
参考サイト:内閣府「動物愛護に関する世論調査」
このように、ペットの死を悲しむ気持ちは多くの人がもっています。
愛犬や愛猫が亡くなり、ペットロスになるのは珍しくありません。
ペットロスの症状には、このようなものがあります。
身体的な症状
- 涙がとまらない
- 頭痛
- めまい
- だるさ
- 息苦しさ
- 眠れない
- 食欲がない
- 暴飲暴食をしてしまう
- お腹の調子が悪くなる
- 吐き気がする
- じんましんが出る
- 発熱
精神的な症状
- 落ち着かない
- 仕事や家事をやる気が起きない
- 不安になる
- 孤独を感じる
- パニックになる
- 罪悪感をもつ
- 幻影や幻聴がおこる
これらの症状が出たら、ペットロスになっていると考えられるでしょう。
ペットロスは長くて数ヶ月以上続くといわれており、落ち込みの度合いも人により異なります。
なかには重症化し、ペットロス症候群を引き起こす人もいます。
死はつらい…でもそれ以上にペットと暮らすメリットはたくさんある!
ペットの死がつらいのはなぜ?
「死が怖くてペットを飼えない」と考える方の中には、ペットと暮らしたことのある人、まだ暮らしたことのない人などそれぞれだと思います。
ペットと暮らしたことのある方であれば、先住犬・猫の死を経験したために、「次はもう飼いたくない」と思うかもしれませんね。
ペットと暮らしたことのない方でも、亡くなったときを想像して「悲しくなりそうだから飼えない」と思うでしょう。
愛犬や愛猫の死はなぜつらくて悲しいのでしょうか。
死は生きるもの全てにおとずれます。
人間も動物も、死は避けられないものなのです。
それを頭では分かっているつもりでも、失ったものの大切さを自覚すると悲しさがこみ上げてきます。
死がつらいのは、それだけペットを愛していた証拠でもありますよ。
ペットは人ではありませんが、家族にとって大切な存在であることは変わりません。
赤ちゃんの頃から育てていれば、我が子も同然でしょう。
我が子といっても、ペットのお世話は子育てと似て非なるものがあります。
それは距離感です。
人の子どもなら成長とともに親離れしますが、ペットは違うのです。
大きくなっても、身の回りの世話から遊びまで、飼い主の助けを必要とします。
ずっと近くでお世話をしてきて、距離が離れることはありません。
そんなとき、ある日突然亡くなってしまう…。
我が子のように育てていれば、死がつらいのも納得でしょう。
また、寿命が伸びてきているのも理由のひとつでしょう。
ここ数年で犬と猫の寿命が伸びたため、より長い時間を一緒に過ごせるようになりました。
長生きした分だけ、思い出が増えますよね。
そして、長い時間を一緒に過ごすと愛着も深まります。
楽しいときもつらいときも、いつもそばにいてくれたペット。
亡くなって初めて、いつの間にかとても大きな支えになっていたことに気づきます。
我が子のように愛情をもって接したり、長い時間を共有したりすることで、死がつらく感じてしまうんですね。
ペットと暮らすメリットとは?
ペットの死は悲しいもの。
しかし、ペットはそれ以上に暮らしに豊かさをもたらしてくれますよ。
死が悲しいから飼いたくない…と考えている方は、ペットと暮らすメリットにも目を向けてみましょう。
- 健康的な暮らしができる
メリットのひとつは、健康面です。
散歩や遊びを通して、一緒に運動ができます。
また、一緒に食事をとることで、食事時間が規則化したり、自炊が増えたりします。
運動や規則正しい食事などは、健康な生活のために必要な要素です。
これらの生活が自然と身につくのは、飼い主にとってメリットが大きいですよね。
- 幸せになれる
犬や猫をはじめ、動物には癒しの効果があります。
アニマルセラピーと呼ばれるものです。
動物とふれあうことで幸せを感じるホルモンが分泌され、ストレス解消などの効果が期待できます。
アニマルセラピーは、医療現場や教育現場などさまざまなところで活躍していますよ。
- 家族の仲もよくなる
癒しの効果以外にも、ペットは人間同士の仲をよくする役割も担っています。
ペットに関する会話が増え、家族のコミュニケーションが深まるためです。
夫婦間や、子どもとの会話はもちろん。
遠方にいる両親とのコミュニケーション増加も期待できます。
ペットは周りの人を笑顔にし、人間関係を円滑にすることもできるのです。
- 命の大切さを実感できる
これまでペットロスのつらさをお話してきましたが、裏を返せば命の大切さを感じられるチャンスともいえます。
犬や猫は人間のように長生きはできませんから、先に旅立ってしまいます。
そのときに、命の大切さを感じられるでしょう。
実際に身近な死を経験すると、一日一日を大切に生きようと学べますよ。
ペットロスを乗り越えるにはどうしたらいいのか
基本的にペットロスは一過性のもので、時間とともに改善します。
しかし、重症化すると、時間が経っても暗い気持ちを引きずったままになってしまいます。
日常生活や社会生活にも支障をきたしますから、早めに改善したいですよね。
そこで、悪化しないために乗り越える方法をご紹介します。
- 我慢しない
つらいときは我慢せずに泣きましょう。
他の家族に配慮をしたり、自分の気持ちを押し殺して明るく振る舞おうとしたりしては、気持ちを発散できません。
自分の気持ちに正直になって、我慢せず悲しみを表現しましょう。
また、我慢しないのは涙だけではありません。
親しい人につらさを打ち明ける素直さも大切です。
「暗い話は迷惑になるから話さないでおこう」と我慢ばかりしていると、感情の整理ができずにペットロスが長引いてしまうかもしれません。
人とつらさを共有することで、孤独感を紛らわすこともできますよ。
- 胸を張ってペットに会えるように生きる
気持ちが整理できずに悪化すると、後追い自殺を考えることもあるでしょう。
しかし、ペットは、そんなあなたを喜んで迎えるでしょうか。
向こうでの再会をよいものにするために、ペットの死を無駄にしない前向きな生き方を考えてみましょう。
保護犬や保護猫のボランティアに参加する、新しい命の里親になるなど、選択肢はたくさんあります。
また、新しいペットとの生活を始めることで、ペットロスから早めに脱け出せるとの結果もあります。
向こうで胸を張って会えるその日まで、自分にできることはなんだろうと考えると、いつまでも悔やんでばかりではいられませんよね。
まとめ
死を恐れてペットとの暮らしを諦めるのは、とても悲しいものだと感じます。
なぜなら、ペットは死の悲しみ以上に、たくさんの思い出や楽しさをくれるからです。
また、死から得られる学びや成長もあります。
死は誰にでもおとずれるものですから、限られた時間をどう過ごしたいか考えてみましょう。
そして、幸せな暮らしの設計にペットの存在が思いついたなら、大切な家族として迎え入れてあげてくださいね。