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冷え込んでくる季節。
服を着ている犬や猫を見かける機会が増えてくる時期ですよね。
「ペットに服を着せるのはかわいそう」との批判は、昔から話に上がっているように思います。
しかし、本当にそうなのか。
ペットにとっても服が必要になるときがあるのではないか。
今回はそこに着目して、ペット用の服のメリットや注意点をご紹介していきますよ。
ペットに服を着せるのはかわいそう?
ペットが服を着ていると、いつにも増してかわいく見えますよね。
とくに、イベントに合わせてコスチュームや被り物をしている犬や猫は愛くるしいものです。
私たち人間から見ると「可愛い」服。
しかし、普段から服を着て生活していないペットからすると、服はストレスの原因になっているかもしれません。
実際、犬や猫に服を着せることには賛否両論があります。
「ペットに服を着せるのはかわいそう」
「靴を履かせるなんて虐待だ」
などとの声があるのも事実です。
あなたはどう思いますか?
服を着せるのは本当にかわいそうなことなのか。
服が必要になるのはどんなときなのか。
この記事を読んで一緒に考えてみましょう。
ペットに服を着せるメリット
飼い主さんは、虐待のつもりでペットに服を着せているわけではありません。
服を着せる理由は、メリットがあるからです。
それでは、ペットにとってどんなメリットがあるのかみていきましょう。
- 体温調節
まず1つ目のメリットは気温によるものです。
四季が豊かな日本では、暑い夏や寒い冬がやってきます。
夏はエアコンをつけたり、冬はこたつを出したりして、部屋の気温調節していますよ。
犬や猫にとっても、極度の暑さや寒さは体に悪影響を及ぼします。
とくに、外国産の種類の犬や猫は、日本の気温に慣れないことも珍しくありません。
そのため、服は夏の紫外線を防止したり、冬の寒さをしのいだりするために役立っています。
- 天候
室内で暮らしている犬や猫でも、散歩や外出の際は外に出ますよね。
そのとき、大雨で天気が悪かったり、雪が降っていたりしたら…。
このように、天候が悪いときにも服が活躍します。
レインコートとして体が濡れないよう保護したり、被毛に雪が絡まるのを防いだりできるんですね。
- 虫よけ
夏に気になるのが虫!
ノミやダニに加え、夏は蚊も発生します。
虫よけスプレーも販売されていますが、「愛犬や愛猫の体に直接かけるのはちょっと…」と思う方もいますよね。
そんな場合は、服の上からスプレーするのをおすすめします。
夏は暑いアスファルトを避けて、土や草むらを歩かせる飼い主さんも多いでしょう。
そうなると、虫だけでなく葉や種などが被毛に絡まることもありますよね。
服を着せると、虫や葉っぱなどを外から持ち込まなくて済みます。
- 術後服
術後服とは、その名の通り手術後に着用する服です。
手術をしたあとは、傷口を舐めて化膿しないよう、エリザベスカラーをつけることがほとんど。
しかし、首周りにつけるため、エサを食べたり水を飲んだりするときに邪魔になります。
また、背が低い犬や猫は、エリザベスカラーが地面についてしまい、動きづらくてストレスになることもあります。
口の動きに制限をかけられ、犬や猫にとってはストレスなのです。
服であれば、そのストレスを軽減させられます。
また、多頭飼いであれば、他の犬や猫に舐められる可能性も防止できます。
服を着ることで、外出中でも汚れを防ぐことができ、傷口を清潔に保てるメリットもありますよ。
- 介護やマナーとして
お漏らしを防止する目的として、ペット用のおむつであるマナーベルトやマナーバンドを着用させることもあります。
ペットが老齢の場合や、ペット可の施設や病院などに出かける際に活躍しますよ。
- 災害時の避難
地震や台風などが多く、災害大国といわれる日本。
災害時は避難するまでの道のりに危険が潜んでいますよね。
その際、ケガをすることもあるかもしれません。
服を着用させることで、皮膚に直接傷がつく危険を防げます。
また、ペット用の靴を履かせることも同様の効果がありますよ。
服と同じく批判される論点のひとつが、ペット用の靴。
しかし、靴は真夏のアスファルトから肉球を守り、火傷を防止する役割ももっています。
機能性を重視した着用は、ペットにとってもメリットが大きいといえるでしょう。
- 抜け毛防止
服を着せることで抜け毛を防止する効果も期待できます。
こちらは飼い主側の都合になるのであまりおすすめはできませんが、お店や街中に出かける際は、エチケットとして服を着用させる飼い主さんもいます。
周りには動物が嫌いな人もいますから、被毛を飛ばさないように注意することは大切なマナーかもしれませんね。
しかし、長時間の着用はペットにとってもストレスとなるため、なるべく短時間で済ませるとよいでしょう。
ペット用の服の選び方
機能性を重視し、愛犬や愛猫に服を着せようと考えたら、選び方もチェックしておきましょう。
ペット用の服はさまざまなメーカーが出しており、種類の展開もさまざま。
服を選ぶ際にチェックしたいのは、サイズと素材と装飾品です。
- サイズ
服を購入する際は、できるだけ試着させましょう。
サイズが大きすぎると動きづらかったり、狭すぎると窮屈になったりとストレスの要因になります。
オンラインショッピングの場合は、首周りや胴回り、着丈を寸法して購入します。
届いたときにサイズが合わないことも予想されるので、返品や交換ができるサイトかどうかもチェックしておきましょう。
- 素材
素材は、服の用途に合ったものを選ぶようにしましょう。
夏に着用するものであれば、クールやメッシュなどの涼しい素材。
また、虫よけや紫外線を防止する効果のある服もあります。
冬は、フリースやセーターなどの暖かい生地を選ぶとよいでしょう。
とくに、寒い日や雪が降っている際は、お腹周りが暑いものや、足まで覆われているものだと効果的かもしれません。
術後服として着用させる際は、患部をカバーできるデザインであることを重視します。
それに加えて、伸縮性のあるものや、着脱しやすいやわらかい素材を選びましょう。
- 装飾品
服には、おしゃれのために装飾品がついていることも珍しくありません。
デザインとしては可愛いですが、誤飲やケガの可能性があるため注意が必要です。
首元に鈴がついていたり、ボタンやアクセサリーがついていたりといったタイプは、避けた方がよいでしょう。
また、ひものある服も気をつけておきたいところ。
歩きまわったり、ジャンプしたりした際に、引っかけて転倒する恐れがあります。
ペットにとって服は、着るだけでもストレスを感じますから、なるべく動きやすいシンプルなタイプな服選びを心がけるといいですよ。
おしゃれのためだけで目的がはっきりしない服はペットにとってストレスの原因などになります。
ペットに服を着せる際のポイントや注意点
初めて服を着るときは、どんなペットも違和感を覚えるでしょう。
普段と違う動きづらさから「すぐに脱ぎたい!」とモゾモゾすることもあるかもしれませんね。
一度着たことのあるペットなら、「もうこんなの着たくない!」と着用させる前から逃げ出してしまうこともあるでしょう。
飼い主としては「愛犬や愛猫のためを思って着用させたいのだけど…」と悩みますよね。
ペットが服に抵抗をみせる場合は、徐々に慣らしていくのがベターです。
まずは袖のない着やすい服からチャレンジしてみましょう。
着てくれたらご褒美におやつをあげて、服を着ることと嬉しい体験とを結びつけます。
服を着る時間も、最初は短く。
だんだんと着用時間を伸ばしていき、慣れてきたら外出先でも着せてみましょう。
服に慣れたきたからといって、長時間着用させるのはあまりおすすめできません。
本来、犬や猫にとって服はストレスになります。
着用中は様子を観察して、目的のための着用が終わったら脱がせてあげましょう。
事故を起こさないためにも、飼い主の目の届く範囲で服を着せるといいですよ。
他に注意したい点は「嫌がるなら無理に着せない」ことです。
飼い主としてはペットのためを思って服を着せたくても、ペット自身がそれを過度に嫌がるのであれば、無理強いはやめましょう。
まとめ
ペットの服の着用には賛否両論ありますが、飼い主都合でない着用には賛成できる方もいるのではないでしょうか。
服の機能は体を保護すること。
その機能を活かした着用方法であれば、ペットにとってメリットをもたらすことができるかもしれません。