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部屋を借りようと賃貸物件を探す際、公営住宅を候補に入れる方もいるでしょう。
公営住宅は家賃が安いため、応募の倍率も民間に比べると高くなっています。
しかし、障がい者であれば優先的に入居できると聞いたことがありませんか?
今回は「どんな方が公営住宅を選ぶとよいのか」「優先入居とは何か」についてご紹介します。
引っ越しを考えている障がい者の方は、ぜひチェックしてみてくださいね!
公営住宅はどんな方におすすめ?
公営住宅とは、地方公共団体が運営する住宅であり、公営住宅法に基づいて運営されています。
県が運営している場合は「県営住宅」、市が運営している場合は「市営住宅」などと呼ばれますよ。
法律や条例に基づいて管理されているので、どこの地域でも同じような規則となっているのが特徴です。
公営住宅がつくられた目的は、収入が低くて家を借りたり買ったりするのが困難な方をサポートするためです。
そのため、入居には審査があります。
公営住宅に入居できる主な条件はこちらです。
- 同居する親族がいること(原則として単身でないこと)
- 入居者の合計収入額が基準以下であること
- 現に住宅に困窮していることが明らかであること
条件の「単身でないこと」はあくまで原則であり、高齢者や生活保護受給者、障がい者などは単身でも入居可能なケースがあります。
合計収入額については、月収約20万円以下が目安となっています。
目安となっているのは、自治体によって基準や計算方法が異なるためです。
地域によって平均所得額や生活費も変わりますし、入居者の人数や障がいの有無などでも計算方法が変わりますよ。
「収入が低い人を入居させたら家賃が払えないのでは?」と考えた方もいるでしょうか。
公営住宅は、経済的に困っている方でも暮らしていけるように建てられた住宅なので、民間の賃貸物件より家賃がおさえられています。
また、入居者の収入にあわせて家賃が決定します。
不動産会社などで民間の賃貸物件を探すと、あらかじめ家賃が記載されていますよね。
公営住宅の場合は異なります。
家賃は応募したあとに決まるため、あらかじめ記載されていないのです。
そのかわり、上記のような入居の条件が提示されています。
公営住宅の家賃が安く済むのは、国の補助を受けながら管理されているためです。
収入を得るのが難しい状況にあったり、住む場所を探せずに生活に困っていたりする方は、公営住宅への応募を考えるとよいでしょう。
障がい者は公営住宅の優先入居者になる?
賃貸物件で一人暮らしをしようと考えている障がい者の方の中には、家賃の安さから公営住宅への入居を考えている方もいるかもしれませんね。
一定の条件を満たせば単身でも入居できますし、初めての一人暮らしの場合、住み慣れたまちだと安心できるのではないでしょうか。
障がい者の場合、公営住宅への入居が優先的に認められるケースがあるのをご存知ですか?
各自治体の入居者選考方法にもよりますが、多いのはこちらのふたつ。
「抽選確率の優遇」と「障がい者専用住宅の整備」です。
抽選確率優遇とは、抽選方式で入居者を選別する際、障がい者の方の当選確率をあげることです。
その他の条件がすべて同じで、障がいの有無だけが異なる2人がいた場合を想定してください。
より生活の支援が必要になるのは、障がいのある方だと考えられますよね。
優先入居はこのような趣旨からきています。
障がい者だけでなく、高齢者や母子家庭などを優先入居者の対象としている地域もたくさんあります。
もうひとつの障がい者専用住宅とは、その名の通り、障がいのある方だけが入居できる専用の公営住宅のこと。
身体に障がいがある方でも集合住宅で生活しやすいよう、バリアフリーの設計になっているなど、障がいのある方向けにつくられた住宅となっています。
その住宅には障がいのない方は応募できないため、必然的に障がい者が優先的に入居できる仕組みとなっています。
一例として、神奈川県の公営住宅をご紹介します。
神奈川県では、特定目的住宅が整備されています。
身体障がいのある方を車いすの使用有無に分けて、条件に当てはまれば特定の障がい者向け住宅に入居できるというものです。
- 身体障害者向住宅(申込者が車いすを使用する次の項目にあてはまる障がい者の方)
身体障害者手帳の交付を受け、1級から4級までの障害のある方。
戦傷病者手帳の交付を受け、恩給法別表第1号表の2の特別項症から第6項症までの方と、表の3の第1款症の障害のある方。
- 身体障害者向住宅(申込者が次の項目にあてはまる障がい者の方)
身体障害者手帳の交付を受け、1級から4級までの障害のある方。
戦傷病者手帳の交付を受け、恩給法別表第1号表の2の特別項症から第6項症までの方と、表の3の第1款症の障害のある方。
詳しい内容は神奈川県のホームページをご確認ください。
自治体によって、どのような優先入居の方法がとられているか異なります。
お住まいの自治体のホームページを確認するとよいでしょう。
優先入居があると知って積極的に申込みを考えはじめた方もいるでしょうか。
ここでは、公営住宅の応募から決定までの流れを大まかに説明しますね。
一例として、広島市の市営住宅の場合をご紹介します。
- 募集要項を確認し、持参または郵送により応募する
- 申込みされた書類が一次審査される(場合によっては電話確認もあり)
- 不備や修正があった場合は窓口にて対応する
- 抽選会がおこなわれる(結果は全員に通知される)
- 当選したら二次審査がおこなわれる(住民票の写しや収入証明書類などが必要)
- 二次審査に当選したら入居に必要な手続きを済ませる(請書、敷金(当初家賃の3か月分)及び連帯保証人の印鑑登録証明書、納税証明書などが必要)
- 入居手続き・入居説明会を経て住宅の鍵が渡される
参考:広島市市営住宅ガイド
引っ越しの目的が「自立したい!」ならグループホームがおすすめ
障がいのある方で公営住宅の応募を検討している方。
その理由が「親が亡くなって生活に困っている」「経済的に賃貸物件を探すのは厳しい」などであれば、公営住宅の選択は正しいでしょう。
しかし、「自立のために一人暮らしをしてみたい」といった理由から賃貸物件を探しているなら、グループホームをおすすめします。
グループホームは、障がいのある方が数人で共同生活を行いながら、自立を目指す住宅です。
一般の戸建て住宅や空き家などを活用しています。
障がいのある方が一人暮らしをはじめるとなると、さまざまな不安を思い浮かべますよね。
「金銭管理は大丈夫かな」
「地域の方と上手くやっていけるかな」
「緊急事態がおこったらどうしよう」
このような悩みも、グループホームなら安心です。
グループホームには世話人やサービス管理責任者とよばれるスタッフが常駐しており、生活における心配ごとを気軽に相談できます。
また、共同生活しているメンバーと仲良くなれるようなイベントやルールが決められていることも多いので、自分と同じ障がいの立場にある方に悩みを打ち明けることもできます。
障がい者グループホームは施設と異なり、障がいのある方でも地域で当たり前に生活できるよう目指して設立されました。
そのため、地域参加などにも積極的なグループホームもあり、自分ひとりでは飛び込みにくい行事やボランティアにも気軽に参加できますよ。
「みんなで生活するのは頼もしいし楽しそうだけど、私は一人暮らしがしたいのだけど…」とお考えの方もいるでしょうか?
グループホームは共同生活ですが、個別の部屋やプライベートの時間がきちんとあります。
そのため、日々のスケジュールや空間は一人暮らしの感覚とそう変わりありません。
完全に一人暮らしをする勇気はまだないけど、一人暮らしができるくらい自立したい!
このように考えている方におすすめなのがグループホームなのです。
<ペットと住めるグループホームなら「わおん」>
わおんは、ペットと一緒に暮らせる障がい者グループホームです。
殺処分の危機にある保護犬や保護猫をペットとして迎え入れ、グループホームでお世話しています。
入居者の方々はペットから癒しや元気をもらい、楽しく生活しています。
動物好きな方は、わおんへの入居も検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、公営住宅についてご紹介しました。
年明けは生活の変化から引っ越しを考える方も増えてくる時期。
経済的に民間の賃貸物件に住むのが難しい障がい者の方は、公営住宅の応募も視野に入れると、納得のいく引っ越しができるかもしれません。
優先入居もあるので、自治体のホームページをチェックしてみてくださいね。
自立目的の引っ越しなら、グループ―ホームへの入居もおすすめしますよ。