目次
保健所や団体で引き取られている犬や猫は、年齢が明確でないケースが珍しくありません。
迎え入れる犬や猫の年齢がわかると、どんな準備をしたらいいのかより分かりやすいですよね。
そこで、大まかにではありますが、犬と猫の年齢の推定方法をまとめました。
保護犬や保護猫を迎え入れようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
保護犬・保護猫の里親になるということ
保健所や動物愛護団体などで保護されている犬や猫のことを、保護犬・保護猫とよびます。
近年、ペットを迎え入れる際、保護犬・保護猫の里親になる動きが強まっていますよね。
保健所や譲渡会、ネットのつながりなどでこのような機会が増えていますが、里親になるとはどのようなことなのでしょう。
その意義を考えたことはありますか?
ペットをペットショップからではなく、保健所や団体などから迎え入れる大きな意義は、殺処分されそうな命を救うことです。
保健所には、殺処分される命が集まっています。
団体がその一部を引き取っていますが、団体で保護するのも限界があります。
そのため、譲渡会を開催するなどして、里親を募集しているんですね。
譲渡会からペットを迎え入れるのは、間接的に殺処分問題を救っていることになります。
もちろん、保健所からペットを迎え入れるのは、直接的に命を救っていることになりますよ。
保護犬・保護猫の里親になるのは、社会的意義のある選択だといえるでしょう。
その他里親の希望は、ペットショップから購入するより費用がかからない点においても、経済的なメリットがあります。
ペットを迎え入れる年齢にあわせた準備
ペットを迎え入れるにあたり、エサやトイレ、寝床などの準備をしますよね。
その際、ペットの種類だけでなく年齢も意識して準備しましょう。
犬や猫の年齢は人間と比べて流れが早いので、数年異なるだけでもお世話の仕方が変わります。
年齢にあわせた準備やお世話を知っておくことは、ペットが快適に暮らすための参考になりますよ。
犬と猫の年齢の差は多少ありますが、大まかなお世話は変わらないのでまとめてご紹介します。
- 1歳未満
犬や猫の特徴は、幼齢の時期の成長がはやいこと。
生後1ヶ月と1歳では人間でいうと約15年ほどの差になります。
そして、飼い主との関係を築き上げていく段階として、大切な時期にあたります。
教えることがたくさんあるため、お世話やしつけに時間がかかると覚えておきましょう。
たとえば食事の種類だと、ミルクの段階から離乳食、通常のエサまでと過程が複数あります。
また、食事の回数も異なります。
食事については、迎え入れる際に今まで何をどれくらい食べていたか聞いておくとよいでしょう。
この年齢期は予防接種の種類も多いため、その分の費用がかさむことも頭に入れておきましょう。
- 1歳から3歳頃
自我が確立した状態なため、新しい環境への不安が大きくなってきます。
また、保護犬や保護猫のなかには、怖い思いや辛い経験をしたことのある個体もいます。
家へ迎え入れる際は、環境になれさせる配慮を念入りにおこないましょう。
そして、この時期は遊びざかりの年齢です。
子犬や子猫のサイズよりもめいっぱい遊べるスペースを確保しておきましょう。
- 3歳から7歳頃
ある程度落ち着いた雰囲気をだしてくる年齢にあたります。
若い頃よりはしゃがないため、運動不足に陥る傾向が高くなりがち。
この時期から肥満になってしまうと、老齢になった際に病気などが心配です。
飼い主は、肥満にさせないような健康管理に気をつけましょう。
- 7歳から10~11歳頃
この年齢期から迎え入れる際は、治療や介護の準備、心構えをしておきましょう。
だいぶシニアに近づいているので、段差をなくす、ごはんを食べるときのテーブルを用意するなど、成犬・成猫より配慮した気遣いが大切になってきます。
また、排泄の我慢ができないなど、体の機能の衰えが見え始めます。
トイレの個数を増やすなどの工夫が必要です。
そして食事面に関しては、この時期から徐々にシニア用のエサに切り替えていくとよいでしょう。
- 10~11歳以上
この年齢は動くのも辛い状態であることがほとんどです。
若い頃と比べて同じ場所で過ごすことが多いため、そこに良質なベッドを用意してあげるといいかもしれません。
また、ペット用の介護用品をチェックし、愛犬や愛猫にあったものを準備してあげるのもよいでしょう。
犬と猫の年齢を推定する方法
保護犬や保護猫が年齢不詳なのは、保護された理由に関連します。
・一度は人間のもとで暮らしていたが、捨てられてしまったため
・野良の親から産まれ、野良として育ってきたため
・飼い犬や飼い猫が出産したものの、飼い主が育てられず放棄されたため
このような理由で保護された場合、野良であれば誕生日がわからないことはもちろん、元々ペットだったとしても飼い主の特定をするのは難しく、年齢がわからないのです。
しかし、ある特徴を見極めれば、大まかな年齢を推測できます。
年齢を知るのは、お世話をする上でも重要なポイントになるので、チェックしていきましょう!
〈見極めポイント①歯や口内環境〉
犬・猫は生後3週齢頃から歯が生えはじめ、生後2ヶ月ほどで生えそろいます。
その後、永久歯に変わっていきます。
永久歯が生えそろうのは、犬であれば生後7ヶ月。
猫であれば6ヶ月頃です。
1歳頃までは生えたてのきれいな歯がみられますよ。
2歳頃からは汚れや歯垢、口臭などの口内トラブルが現れる頃。
悪化の度合いによって年齢が推測されます。
たとえば猫の場合、歯がかけていたり歯周病が悪化していたりすると、7歳以上といわれています。
しかしこれは一般的な推定方法であり、食べてきたものや手入れの頻度によっても歯のきれいさは異なります。
歯の汚れだけを見て年齢を特定するのは、少し難しいかもしれません。
〈見極めポイント②目〉
目は老齢かどうかを確かめられるポイントになります。
人間もそうですが、年齢を重ねるごとに病気にかかりやすくなりますよね。
犬や猫も同じです。
緑内障や白内障といった目の病気が、老化とともに現れます。
瞳孔が青白い、視力が悪いような行動をとるなら、老齢になってきているといえるでしょう。
猫の場合、高いところから降りられない、頻繁に目をこするなどの行動は視力低下の可能性が高いですよ。
しかし、目の病気は先天性であるケースもあります。
老齢かどうかは、次に話す皮膚や被毛と合わせてチェックしてみましょう。
〈見極めポイント③被毛や皮膚〉
猫のツヤツヤできれいな毛並みは、年齢とともに変化します。
若い頃は整っていても、老化するとボサボサになってしまうんですね。
また、犬と猫も白髪が出てきます。
犬であれば5歳頃からで、猫もひげに白髪が見え始めるのが6歳頃だといわれていますよ。
しかし、白髪はストレスなどで若いうちから見えはじめるケースもあります。
とくに、保護犬や保護猫など特殊な環境で育ってきた子たちであれば、精神的にストレスを抱えていることも珍しくありません。
被毛だけでは判断が難しいかもしれませんね。
皮膚は弾力を失ってたるんできたり、洗っても匂いが落ちにくかったりといった状態が老齢の判断材料になります。
この他にも、遊びざかりの年齢をこえた5歳頃からは落ち着いた行動を見せたり、さらに高齢であれば歩くのも嫌がったりします。
夜中に歩き回る行動は認知症の現れかもしれません。
歯や目、被毛の他に一緒に暮らしていく中でみれる行動から、徐々に年齢がわかっていくケースもありますよ。
まとめ
今回は犬と猫の年齢を推測する方法をご紹介いたしました。
幼齢や高齢であれば、特徴がわかりやすいですよね。
一方で、成犬や成猫の年齢の見極めは難しいといえるでしょう。
今まで過ごしてきた背景がわからない保護犬・保護猫の場合、医師でも正確な年齢を把握するのは難しいものです。
愛犬や愛猫の年齢を決める際、不安や心配があればネットの情報だけでなく、専門の医師に相談するに越したことはありませんよ。