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地方の空き家は深刻な社会問題となり、行政もその対策に追われているというニュースを聞いたことはありますか?
そんな中、各地方の自治体は田舎暮らしのよさをアピールし、移住者を歓迎している風潮があります。
「都会の喧騒を離れて田舎暮らしもいいかも」「空き家を自分なりにリフォームして夢の戸建てを手に入れたい」と思う方も少しずつ増えてきたのではないでしょうか?
今回は、田舎暮らしのスタートを応援する記事を書いてみました!
住まい選びのポイントや、田舎物件の注意点をまとめています。
田舎暮らしに興味のある方はチェックしてみましょう。
田舎暮らしをスタートしたい!空き家のほかに住まいの選択肢は?
田舎暮らしをはじめるには、まず家が必要ですよね。
なんとなく「田舎なら空き家を購入しようかな?」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
田舎への移住は、空き家以外にも選択肢がありますのであわせてご紹介します。
<新築物件に住む>
ライフスタイルにあった暮らしをしたい方は、新しく家を建ててもよいでしょう。
デザインに富んだこだわりの家を建てるもよし、自然を活かしたマイホームを建てるもよし。
単身でなく、家族そろって移住を考えている方などにおすすめです。
自治体によっては、移住する方に補助金を出しています。
家を建てるときに支援を受けられるのは、田舎暮らし特有のメリットといえるでしょう。
新築物件を建てるなら、まず土地探しが必要です。
田舎は農地が多く、住居用の建物を建てられる宅地が見つからない場合があります。
自分の希望する地域に、希望する広さの土地を見つけられるかどうか…。
土地探しの大変さは、新築物件のデメリットのひとつです。
また、土地を購入する代金と、建築の代金それぞれに費用がかかります。
新築にこだわらないのであれば、空き家を購入してリフォームした方が資金面で楽になる場合もありますよ。
<賃貸物件に住む>
初めての田舎暮らしでリスクが低いのは、賃貸物件に住むことです。
しっかり調べてこの地に決めたけど、住んでみてやっぱり合わなかった…なんてこともあります。
そのリスクを避けられるのが、賃貸物件のメリットです。
定住を決める前にお試しで住んでみたい方は、家を買うより借りましょう。
田舎の賃貸物件は家賃も安く、購入と比べて初期費用もかかりません。
資金の調達が厳しい方にも、賃貸物件はおすすめですよ。
デメリットは、物件数が少ないこと。
家探しの情報網を広げて探すようにしましょう。
また、アパートなどの集合住宅だと、田舎に住んでいる雰囲気をあまり感じられないかもしれません。
田舎での新しい生活に何を求めるか、意思を明確にした方がよいでしょう。
<空き家に住む>
「できるだけ費用を抑えたいけど、自分の家を持って田舎暮らしを始めたい!」
このように考えている方は、空き家の活用をおすすめします。
空き家に住むメリットは、なんといっても購入代金が安いこと。
夢のマイホームを数百万円、数十万円で手に入れることも可能です。
築年数が古く劣化の進んでいる空き家だと、タダで購入できるケースもあります。
安い物件ほどリフォームやリノベーションの費用がかかりますが、土地もセットでついてくると考えればお得ですよね。
また、古い物件は古民家ならではの味があります。
和モダンな雰囲気の家に住みたい方にとって、空き家は魅力的なマイホームになりますよ。
地方の空き家には、農地付きの物件もあります。
家庭菜園規模の土地で自然とふれあう生活を楽しめます。
農地付きの空き家を購入する方の中には、新しく就農をしたい方も少なくありません。
内閣府の「農山漁村に関する世論調査」(2014年)で、農山漁村地域定住に興味のある都市部住民に対して「農山漁村地域に定住して過ごしたいこと」のアンケートがおこなわれました。
結果は、趣味として農林漁業をしたい方が34.8%、おもな所得源として農山漁業をしたい方は29.8%となりました。
しかし農地の購入は、農業委員会の審査が必要です。
新規で就農をするには、なかなか制限が厳しいと思われますが、近年は空き家問題の解消に向けてその制限が緩められています。
農地付き空き家については、国土交通省が資料を作成しているので、くわしくはこちらをご覧ください。
田舎の空き家を購入するうえで注意したいポイントは?
住まいの選択は、新築や賃貸、空き家とさまざまです。
ここでは、田舎の物件を購入するうえで注意したい点をまとめてみました。
田舎暮らしで新築物件や空き家の購入を考えている方は、ぜひチェックしてくださいね。
<土地について>
田舎の土地は分譲されていないことが多いため、形がバラバラです。
広さも異なり、土地の一部に他の人の所有地が介入している場合もあります。
購入する場合は、自分の土地の範囲を細かく調べておきましょう。
他にも、法令上で制限を受けている土地もあります。
たとえば、このような場合です。
- 地目が宅地ではなく農地になっている
- 土地が保有林になっている
- 土地が市街化調整区域に指定されている
市街化調整区域とは、田舎の田畑や山林を残すよう指定された区域のことです。
この区域内では、新しく家を建てたりお店をつくって街を変えることができません。
例外として、農家の方やその分家、区域内で生まれ育った地縁者などは住居を建てることができます。
田舎でも、比較的街に近い場所ではこの制限を受けている場合があるので注意が必要です。
仲介会社を通しての購入なら説明を受けるので、気づきやすいでしょう。
しかし、個人間での売買では自治体に確認をとった方がいいです。
その他にも、田舎暮らしに限らず接道との関係や、建築基準法上の問題もあります。
家を建てる際に気をつけたいポイントですね。
<境界について>
田舎の土地や建物を購入するにあたり、気をつけたいのが境界問題です。
ここでいう境界問題とは、境界があいまいであること。
境界があいまいになる原因として、このような理由があげられます。
- 山林など立木の種類の境界の取り決めがあいまい
- 相続により所有者が多数になっていて各土地ごとの境界を話し合っていない
- 土地が広いため境界を意識せずに家を建てている
- 兄弟や親戚の間柄で土地が広がっており、居住者同士で境界を決める習慣がない
田舎の物件を購入する際は、土地がはっきりしていないこともあります。
土地の形状が複雑に入り組んでいる場合、全ての境界が確認できる物件は少ないかもしれません。
家探しの時は、境界があいまいな物件もあることを頭にいれておきましょう。
境界がはっきりしている安心した物件を購入したい方は、地積測量図や法務局の地籍図を確認してから、売買契約をするかどうか決めるとよいかもしれません。
<飛び地について>
土地に関してもうひとつ。
「飛び地」の問題はご存知でしょうか?
飛び地とは、土地が地続きでなく、離れた場所に分断されてあること。
同じ100坪という土地でも、実際に地図で確認すると、ひとつは70坪、そして離れた場所に30坪の土地が位置していることがあるのです。
購入する土地の面積だけ確認していると、飛び地に気づけない場合があります。
ひとつの大きな土地だと思わず、位置関係を把握しましょう。
<インフラ整備について>
電気やガス、上下水道といったインフラが整備されているかもチェックしたいところです。
田舎では、インフラがしっかり整備されていない状態の土地も少なくありません。
長いこと放置された空き家なら電気やガスが止まっている場合があります。
管理会社に確認して、いつからなら使用できる状態になるかチェックしておきましょう。
また、田舎の場合上下水道が普及していないエリアもありますよ。
下水道がなく、物件の敷地内に浄化槽が設置され、水洗式トイレを利用できる物件もあれば、浄化槽がなく旧来の汲み取り式トイレを利用する物件もあります。
上水道がない場合は、井戸や山の湧き水を利用して生活します。
どの地域でも生活のインフラは整っていると考えていると、住んだときに慌てることでしょう。
田舎暮らしの生活を楽しみたい方は問題ないかもしれませんが、生活の不便さを譲りたくない方もいますよね。
その場合工事をすることも可能ですが、費用と時間がかかるので注意しましょう。
浄化槽の設置などは自治体が補助を出してくれることもあります。
しかし、水洗化にするための空き家のリフォーム代は自費です。
インフラの設備はどうなっているのか、物件購入前に確認しておきたいところですよ。
まとめ
いかがでしたか?
田舎暮らしをスタートするにあたり、最適な住まい探しは時間がかかります。
納得のいく住まい選びをするためには、田舎物件のメリットだけでなく、デメリットにも目を向けましょう。
注意すべき点がわかれば、希望する物件の条件も次第に絞れていくかと思われます。
憧れの田舎暮らしで何をしたいのか、譲れないポイントは何かなど、意思を明確にするのもよいかもしれませんね。