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世界中で感染を拡大させている新型コロナウイルス。
外出自粛が続き、ペットと過ごす時間が増えて嬉しいのと同時に、収束しない現状に不安を募らせている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
- コロナが心配。ペットとの接し方で気をつけることはあるの?
- 飼い主からペットに感染することはあるの?
- 自分が感染したらどう対応すべき?
飼い主さんの中には、上記のような疑問を抱いている方も少なくありません。
今回の記事では、現時点で分かっている情報をもとに、このような疑問を解決し、対応すべき方法をご紹介します。
ぜひ、参考にしてくださいね。
※情報は2020年4月20日現在のものです
そもそも新型コロナウイルスはどうやって感染するのか
新型コロナウイルスは一般的に、飛沫感染、接触感染で感染するといわれています。
<飛沫感染>
ウイルスがくしゃみや咳などと一緒に放出され、それを吸い込むことにより感染すること。
(近距離での会話や密集空間で感染する可能性が高い)
<接触感染>
感染者がくしゃみや咳を押さえた手で周りの物に触れるとそこにウイルスが付着し、他の方がその物を触ると手にウイルスがつき、その手で鼻や口などを触り粘膜から感染すること。
(ドアノブ、手すり、スイッチなど手で触れる物から感染する可能性が高い)
これらのことを踏まえ、政府は「密閉」「密集」「密接」の3密を避けてくださいとお願いを出したのですね。
飼い主からペットに感染することはあるの?飼育するうえで気をつけることとは
感染しないためには、飛沫感染、接触感染に気をつければいいということが分かりました。
「ところでペットに感染するの?」という疑問が浮かんだと思います。
厚生労働省の「動物を飼育する方向けQ&A 4月15日時点版」によると、海外では人間から犬、猫に感染したという事例が複数報告されており、動物園では飼育員からトラへ感染したという報告もあります。
症状について、犬に関しては明確な症状が確認されてはいません。
しかし、猫では呼吸器や消化器に症状があったとの報告もあるそうです。
ただし、新型コロナウイルスは人間から人間への飛沫感染や接触感染により感染することが分かっており、動物への感染事例はわずかな数だといいます。
東京都獣医師会としても、飼い主が新型コロナウイルスに感染しないことが、ペットを守るためにも大切であると考えているそうです。※4月8日時点
次に、「ペットから人間に感染することはあるの?」という疑問も浮かんだと思います。
これに関しては現在、ペットから人間への感染事例は報告されていません。
しかし、動物由来感染症の予防のためにも、過度の接触を控え、普段からペットを触った後は手を洗ったりアルコール消毒をしたりなどの衛生管理を行うよう同省は呼びかけています。
特に、ペットの体調が悪い場合は不必要な接触を控えるようにとの記載もあります。
普段から衛生面に配慮し、ペットとの適切な距離を保つよう意識すること。
これが、感染症予防には適切だといえますね。
飼い主が感染してしまった!ペットはどうなる?
新型コロナウイルスが飼い主とペットの間で感染する可能性は低いといっても、飼い主が感染してしまうと別の問題が発生します。
それは、「ペットの面倒は誰が見るの?」という問題です。
飼い主が一人暮らしであったり、一緒に住んでいる家族全員が感染してしまったりすると、ペットのお世話ができません。
そうなると困りますし、何より心配ですよね。
そのため、万一に備えてペットの預け先を確保しておくことをおすすめします。
預け先としては、信頼できる知人やペットホテルなどが挙げられます。
<ペットを無償で預かる取り組み>
これに関連して、アニコムホールディングス株式会社では、コロナ感染者のペットを無償でお預かりする「#StayAnicom」プロジェクトを始動させました。
このプロジェクトは、新型コロナウイルスに感染した飼い主が隔離施設での生活の間や、入院の間、ペットを無償で預かるという取り組みです。
「自分が感染したら、この子はどうなってしまうのか」
このような不安を解消できるので、とても心強いですよね。
新型コロナウイルスの騒ぎにより、飼育放棄が増加する可能性もあります。
預け先を確保しておくことは、そういった悲しい事態を避けるためにも必要といえるでしょう。
飼い主が感染してしまった!具体的な対応方法とは
準備の次は、「じゃあ、実際に感染してしまったらどうすればいいの?」という問題が出てきますよね。
この問題の対応として、5日に東京都獣医師会は「新型コロナウイルスに感染した人が飼っているペットを預かるために知っておきたいこと」を作成しました。
以下はその抜粋です。
新型コロナウイルスに感染した方に飼われているペットをペットホテルやあなたの家で預かるために
- 飼い主側が連れてくる場合
- 飼い主やその方と濃厚に接触している方は遠慮してもらってください
- 預かるスタッフはグローブやマスク、エプロン、メガネなどを装着して下さい
- キャリーボックスに入れて連れてきてもらって下さい
- できれば、預かる側で用意しておいたキャリーボックスに入れ替えて下さい
- 無理なら、預かったキャリーボックスを次亜塩素酸ナトリウム※(0.05%)などで消毒して下さい※家庭にもある塩素系漂白剤です(例:ハイターなど)
- 飼い主宅に赴いてペットを預かる場合
- 飼い主宅はウイルスで汚染していることに注意しましょう
- 入室の前にグローブやマスク、メガネ、ガウンなどの防御衣類をつけましょう(廃棄のための容器も用意)
- できれば2名で赴き、入室する人の防御衣類着脱など、汚染防止に協力してください(汚染環境に入らない人を確保すること)
- 預かる側で用意したキャリーボックスにペットを移して下さい
- できない場合はキャリーボックスの外側を次亜塩素酸ナトリウム液(0.05%)などで消毒して下さい
- シャンプーをして下さい(界面活性剤でウイルスは死にます)
- マスク、グローブ、エプロン、メガネを装着して行って下さい
- 可能なら屋外がのぞましいです
- 屋内の場合には、後で消毒しやすい環境を作っておいて下さい(余計なものを片付けておく、ビニールシートで被覆するなど)
- まず毛をお湯でよく流しましょう。シャンプー剤を使う前に体を振らせないよう注意して下さい
- よくすすいだ後ドライヤーで乾かして下さい
- 工程が全て終了したら防護に使ったものを外して下さい。洗濯をすれば再利用可能です
- シャンプー後
- 体表のウイルスは除去されているか不活化しています
- ウイルスは保有しているかもしれません。キスをしない、お皿などを共有しないなど、良い衛生を保ちましょう
- 14日間は隔離が望ましいでしょう
- 隔離している場所は次亜塩素ナトリウム液(0.05%)などで消毒しましょう
- 猫の場合
- シャンプーの作業は犬と同様に防護具を装着しておこなって下さい
- 先に爪切りをし、エリザベスカラーを装着するなどの防御をしておきましょう
- 無理ならば、クロルヘキシジン水(0.05%)※で体を拭いても効果的です。その際にはエリザベスカラーを装着して猫が舐めないように注意しましょう。その他、次亜塩素酸水(0.02%)などで清拭するのも効果があると言われています
- 糞便の取り扱いにはマスクやグローブを使って下さい
- 隔離期間は犬に準じます(14日間)
※ 商品名:ヒビテン液、ヘキザック液など
他にも、ウイルスの付着についてや、次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水の違いなども分かりやすく記載されているので、一度目を通すことをおすすめします。
参照元:https://www.tvma.or.jp/public/items/1-20200406%EF%BC%88COVID-19.pdf
明るいニュースもあります!外出自粛によりペットの縁組が増加中
こちらは嬉しいニュースです。
オーストラリアやニューヨーク州などで、保護犬、保護猫を引き取る動きが高まっているそうです。
フロリダ州のある保護施設では、すべての保護犬の里親が見つかったとの報告もあります。
新型コロナウイルスの影響で、外出自粛中にペットと過ごす時間が増え、里親の申し込みが急増しているためだといいます。
外出自粛中の家庭内はトラブルが起きやすいものですが、ペットの癒し効果で改善できると思うと希望が見えてきますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
新型コロナウイルスについては、いまだに分かっていないことが多く、これから新たな発表が出る可能性があります。
愛する子を守るためにも、まずは自分が感染しないことを第一に心がけましょう。
そして、いざという時に困らないよう、預け先の確保や対応方法などを考えてみてはどうでしょうか。
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