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この暑い夏の時期に空き家の管理をするなら、熱中症対策はもちろんですが、それ以外にも、実は蜂にも気を付ける必要があります。
蜂には活動が活発になる時期や時間帯があり、空き家に巣を作ってしまうことも。
今回は空き家に蜂が巣を作ってしまった場合と、その対処法についてお伝えします。
ほかにも空き家に潜む危険な虫についても、併せてご紹介するのでぜひ参考にしてくださいね。
蜂の活動時期はいつ?
一般的に蜂が外を飛んでいるのを見かけるのは、3~11月頃の間です。
春になると女王蜂が巣を作り始め、夏までに働き蜂を産卵しながら巣をどんどん大きくしていきます。
巣がもっとも大きくなる夏頃から繁殖期が始まり、蜂の数も増えるため、7~9月頃が活動のピークとなります。
蜂に刺される被害が発生するのもこの時期です。
繁殖期を終え、新しい女王蜂が誕生したら巣は放棄され、ほとんどの蜂は冬に入る前に活動を終えます。
<春先に飛んでいる蜂は比較的安全>
4月頃に単独で飛んでいる大きい蜂は、女王蜂の可能性があります。
アシナガバチやスズメバチの女王は春に一匹だけで巣作りを始めます。
しかしこの春の時期の女王蜂は冬眠を終えたばかりで弱っていることが多く、触るなどしない限り刺してこないほど攻撃性も低くなっています。
もしこの時期に単独で巣作りをしている蜂を発見した場合は、できるだけ早く駆除しておくほうが安心でしょう。
<蜂の活動時間は?>
基本的な働き蜂の生活ルーティーンは「朝に出かけて、日中に餌を探し、日が沈んでから巣に帰ってくる」という流れです。
餌を探しに出かけている朝7時頃から日中の時間帯は、もっとも活発に活動しています。
日没後数時間すると働き蜂が巣に帰り、幼虫の世話や体を休めるなど、巣の中では比較的穏やかです。
このような理由から蜂の巣を駆除するなら日が沈んでから数時間後、もしくは日の出前の早朝がおすすめです。
<蜂の種類によって攻撃的な時期が異なる?>
巣作りと繁殖をおこなう7~9月頃には巣や繁殖中の女王蜂を天敵から守るために、警戒している働き蜂が多く、巣に少し近づいただけで巣から何匹も飛び出し、威嚇してくる蜂もいます。
しかし攻撃的になる時期は、蜂の種類によって異なります。
スズメバチはもともと気性の荒い性格をもつ蜂ですが、繁殖期の7~10月はさらに攻撃的になります。
攻撃的な時期でも、特に秋口は注意が必要です。
秋口には繁殖に必要なオスの蜂や、新しい女王蜂が産まれます。
それらを育てるために多くの餌が必要になるにもかかわらず、餌となる昆虫が減ってくるため気が立ち、さらに攻撃性が増すので注意が必要です。
この時期のスズメバチの巣には、近づかないようにしましょう。
アシナガバチはスズメバチやミツバチと比較すると活発な時期が短く、6~8月が攻撃的になります。
基本的にアシナガバチはおとなしい性格ですが、種類によっては強い毒を持つものがいるため、むやみに近づかないほうがよいでしょう。
巣ごと越冬するミツバチはほかの蜂とは異なり、ほぼ一年中活動しています。
攻撃的になる時期もスズメバチやアシナガバチとは全く異なり、越冬の準備をする10~11月にかけてと、越冬直後の2~3月頃となります。
基本的におとなしく攻撃性も低い性格ですが、秋から冬にかけては天敵から巣を守るために、攻撃してくる危険性もあるので注意しましょう。
空き家でもしっかり蜂対策をしよう!
住んでいない空き家だからと言って、蜂の巣ができても駆除しないわけにはいきません。
蜂の巣を放置していると近隣の住民が危険な目に合うなど、思わぬトラブルに発展する可能性もあります。
蜂の巣を作らせないように、いくつか対策があるのでご紹介していきます。
- 殺虫剤や忌避剤をまく
月に2回ぐらいのペースで、過去に作られたことがある場所や蜂が巣を作りそうな場所にまいておくとよいでしょう。
雨が降ると薬剤が流れてしまうため、雨のあとにもしっかり散布し直すと安心です。
- 水をかける
蜂の巣は雨や風が防げる場所に作られることが多く、乾燥している場所を選ぶ傾向があるため、水をかけておくと巣が作られるのを防止できます。
ただし、木造住宅の軒下などは水をかけすぎると、腐食してしまう可能性もあるため注意が必要です。
- 木酢液をまく
蜂の巣は庭木に作ることもありますが、木に直接薬剤をかけると悪影響を与える可能性があり、水をやりすぎると根腐れを起こしてしまうこともあります。
そんなときは、木酢液をまく方法がおすすめです。
水で薄めて霧吹きで散布したり、バケツに入れて置いたりするのも効果的です。
庭木以外の薬剤を使いたくない場合も木酢液はおすすめです。
- 防虫ネットを使う
遠方に住んでおり、定期的に空き家の管理をするのが難しい方は、防虫ネットを張る方法がおすすめです。
スズメバチなどは、雨風を防げる屋根裏や天井に入り込んで巣を作ることが多いため、侵入経路をふさぐと巣作りを防止できますよ。
ほかにも換気扇や通気口から侵入することもあるので、同じくネットやカバーをかけておくと安心です。
- 業者に駆除を依頼する
蜂の巣は自分で駆除できる場合もありますが、スズメバチは刺されると生死にかかわることもあるので、業者に依頼した方が安心です。
ほかにも、狭い場所や高いところにできた蜂の巣の駆除は自分でやると危険なのでプロに任せたほうがよいでしょう。
業者に依頼する場合は、事前に調査して無料で見積りを出してくれるところを選ぶようにしてくださいね。
<久しぶりに空き家に入る場合の注意点>
久しぶりに空き家に入る場合は、自分自身の蜂対策も忘れずにおこないましょう。
ひらひらした服、黒い色の服、肌の露出は避け、香水やにおいの強い化粧品などは使用しないようにし、蜂がいても無理に追い払おうとしないようにしてください。
<蜂の巣の駆除は所有者がおこなわなければならない>
蜂の巣の駆除は原則、建物の所有者がおこなわなければなりません。
空き家にできた蜂の巣が近所の人を刺した場合、安全に配慮する義務を怠ったとして、所有者に責任が問われる可能性があるため注意してください。
もし、近所の空き家に蜂の巣を発見した場合は、まずは所有者に連絡をとりましょう。
空き家の所有者がわからないという場合は、お住まいの自治体に相談するとよいでしょう。
自治体から建物の所有者に連絡し、蜂の巣の駆除をするように通達してくれる場合が多いようです。
また、自治体にもよりますが、攻撃性の高い蜂は自治体で駆除してくれるところもあるので、自治体に蜂の種類を伝えるとよいでしょう。
蜂のほかにも気を付けたほうがいい虫
蜂のほかにも、シロアリやゴキブリ、ノミ、ダニは、その家だけでなく近隣住宅にも悪影響を及ぼす可能性があります。
誰も住んでいない家なら、虫は退治されないので天敵がおらず快適に過ごせます。
定期的に管理できれば害虫の増加は防げますが、放置していると増加するばかりです。
もし、空き家の室内で害虫が大量発生してしまった場合は、燻煙剤を使用して駆除するか、業者に駆除を依頼する必要があります。
害虫対策には定期的な管理が必要不可欠です。
定期的な空き家の管理が難しい方は、管理会社に管理を依頼するなどして、しっかり害虫駆除をおこないましょう。
まとめ
蜂が攻撃的になる時期は蜂の種類によって異なるため、自分で駆除できる場合もあります。
しかし蜂の巣が作られた場所によっては駆除が難しいこともあります。
駆除は無理せずプロに相談した方が安心でしょう。